3Dグラフィックに適したHDRイメージを自分で作成するには結構な手間が掛ります。まず、高いダイナミックレンジを持つイメージが必要で、デジタルカメラの場合はCCDが捉えた加工処理のされていないRAW(生)データが必要になります。
また、異なる露光量で撮影された複数の同じ写真を Photoshop CS2 や HDR Shop 2.0 などのツールを使用して書き出す必要もあります。(HDR Shop 1.0ではデジタルカメラ12bit 圧縮・非圧縮RAWはサポートしていないようです。つまり HDR Shop 2.0 が必要)
HDR Shop について
HDR Shop は、HDR イメージの加工、書き出しが行えるソフトウェアです。3DCGにおける環境マッピング、又はイメージベースドライティングに適した画像を生成することも出来ます。HDR Shop 1.0は、学術研究目的のみフリーでそれ以外は HDR Shop 2.0 のライセンスが必要です。2年間で600ドルとなっています。
もう一つの問題は、マッピング時の問題です。HDRをオブジェクトサーフェイス(立方体/球体/円柱)にマッピングする場合、テクスチャーは法線方向に対して歪みなくマッピングする必要があります。
HDR Shop では、クロムボールに写り込んだ画像や魚眼レンズを使用し、デジタルカメラで撮影された画像を3Dマッピングに適したイメージに調整してHDRイメージに出力する事が出来ます。
下の左の丸い画像は、クロムメッキボールに写り込んだ画像をデジタルカメラで撮影し、ダイナミックレンジを持つRAWデータで記録し、HDR Shop 2 取り込むことでHDRに保存できます。 この画像を元に、ライトプローブイメージ、立方体(中央)、球体(右)マッピング(パノラマ)に適した画像に変換する事が出来ます。
HDR Shop 1.0 を使用して3Dマッピングに適したパノラマイメージに変換するチュートリアルです。
参照 => http://gl.ict.usc.edu/HDRShop/tutorial/tutorial4.html
クロムメッキされたボール(東急ハンズに売ってます)に写り込む風景をRAW情報で記録可能なデジカメで撮影すれば、魚眼レンズが利用できるデジタルカメラを使用するよりもコストが掛りません。
また、背景画像や環境の写り込み画像を作成する場合は、JPGやBMPなどの一般的な画像フォーマットで保存する事も出来るため、背景画像や、環境の写り込みなどにも活用する事が出来ます。ちなみにJPGデータをHDRへ出力してもダイナミックレンジ情報はないためHDRの効果は得られません。
RAWデータについて
最近のデジタルカメラは、RAW情報を記録できる製品も増えてきました。しかしRAW情報や圧縮、非圧縮など各メーカー、機種ごとにまちまちで HDR Shop 2.0 や PhotoShop CS2 で開けるとは限りません。
また、32bit HDRイメージ作成には、露光量を変えて撮影された同じ写真が3つ以上必要となります。
Yahoo Shopping で最安値を探す Adobe Photoshop CS2 から、HDRの生成、編集が行えるようになりました。HDR Shop などHDRの編集が行えるツールは限られていましたが、Photoshop で行う事が出来ます。また、多くのデジタルカメラRAWデータをサポートしており、自分で撮影した写真からHDRイメージを作成する事が出来ます。 ただし、HDR Shop のような 3D グラフィックソフトに適した画像処理を行う機能はないため、PhotoShop側で作成する必要があります。 購入・導入のポイント |
このような環境テクスチャ、及びHDR イメージ素材集を上手く活用することは制作コストを抑えるだけでなく、作品品質向上の面でも大きな成果を上げる事が出来ます。3Dに関するテクスチャ素材集の中でも応用範囲の広いジャンルと言えます。
次のページから、クリエーターや映像プロダクションなどで実際に使用されている環境テクスチャ素材集を紹介します。