ワークステーションとして販売されているパソコンは、主にCAD、ミドルクラス以上の3DCGソフト (Maya / XSI / 3dsMax / LightWave-3D / CINEMA-4D など)、CAD ソフトを利用される方を対象としています。
基本的に一般のパソコンと同じ AT/PC 互換機であり、3DCG / CAD 制作用途に適したパーツ、OSで構成されています。もちろん自作する事も可能ですが、自作するより安価に確実に迅速にサポート付きで 3DCG 制作環境を導入する事が出来ます。
自作のメリットはカスタマイズに制限がなくパーツを吟味できる点にあります。無駄のないより目的にあったワークステーション作る事が出来ますがリスクが伴います。
説明してきたように3DCG制作といっても様々な作業工程が存在し、どこにウエイトを置くかでワークステーションの選び方も変わってきます。専門家から見てお勧めできるワークステーションを販売しているショップを紹介します。
ワークステーションを購入する際、ラインナップによっては、VISTA 、XP の何れかを選択できる機種があります。OS を選ぶ際の注意点、アドバイスは下記の自作PCコンテンツ内で紹介しています。判断材料の一つにして下さい。
参照 => VISTA に関して ~ 3DCG 制作 Windows を選びの注意点
参照 => Windows XP Professional と x64 導入アドバイス ~ 3DCG
自作PCは手間とリスクが伴うため一般企業において導入するパソコンには適しません。特にサポートを優先したい個人、企業に関しては大手PC/AT互換機メーカーの 3DCGワークステーションという選択肢になります。
特に企業向けにリースやサポート・プログラムを提供しているため、学校や企業、自作スキルのない個人ユーザーはHPかDELLの何れかになります。
HP は DELL に次ぐPC/AT互換機販売大手でしたが、現在は、DELL を超える最大メーカーとなっています。コンピューター部門は旧コンパックであり、PC関連の開発、技術力は DELL よりも格上です。
こちらも法人向けサポートは充実しており、3DCG/CAD 制作に適したビデオカードを搭載したワークステーションの販売を行っています。
カスタマイズの範囲が狭い分、幅広いラインナップが用意されているため、本稿で説明した幅広い分野に対応できるワークステーションを選べます。個人的に一押しのメーカーです。3DCG/CAD 制作に適したビデオカード Quadro FX シリーズの販売も行っています。(ページ右参照)
2007年11月現在、9月に発売された Quadro FX 新シリーズ登場に伴い、旧シリーズの半額キャンペーンを行っています。型遅れでもワンランク上の Quadro FX を手にしたい方はお早めに。ちなみに QuadroFX 1500 は現在も 8~10万円で販売されていますが、36,750円 で購入する事が出来ます。半値以下です。
FREEDOM は LightWave 3D で制作されている事は以前より知っていましたが、HP のワークステーションを使用しているそうです。 FREEDOM はリンク先で視聴できます。必見です。
DELL は自社開発を行わずパーツを組み立てる事で生産コストを抑え幅広いニーズに応えることで急成長したメーカーです。自作PCと同じようにPCパーツメーカーから供給を受けて組立てて販売していると言えば分かり易いかもしれません。
数年前から 3DCG ワークステーションのラインナップを強化しています。個人的には HP のワークステーションをお勧めします。
基本的にPCパーツショップが販売するBTOパソコンは、コストパフォーマンスに優れた家庭向けのバリューPC、高性能パソコンは3Dゲームユーザーを対象としたパソコンであるため、OpenGLをインターフェイスとして利用する本格的な3DCGソフトやCAD用途には適しません。 (ボリュームゾーンのPCしか販売していない)
Shade や CARRARA といったエントリー、ホビーユーザー向けの3DCGソフトや一部の3Dソフトにはビデオカードを選ばないソフトウェアもあります。
ワークステーション以外のPCパーツショップが販売するBTOパソコンのメリットは価格です。サポートは期待できませんが一般家庭で使用するデスクトップ・パソコンとしては低価格なのが魅力です。
PCパーツショップの中には 3DCGワークステーションをBTO(受注生産)のラインナップに加えているショップもあります。
ドスパラは全国展開している老舗のPCパーツショップですが、最近、ビジネス向けのBTOパソコン販売に力を入れています。ワークステーションは Xeon プロセッサやマルチCPU構成など用途によっては無駄に高価な構成となる事が多いのですが、ドスパラの BTO ワークステーション はツボを良く押さえています。
現在、Prime Raytrek LC と入門者に適した Prime Raytrek debut ! の 2ラインナップが用意されています。何れもカスタマイズ可能です。
本稿でお勧めとして紹介している構成に最も近い3DCGワークステーションとなります。5台以上の導入はサポート面で上記HPがお勧めですが、追加、補充用のワークステーションとしても魅力的な構成です。CAD や グラフィックスに特化したラインナップも提供しています。
本稿でお勧めとして紹介している TSUKUMO ですが、こちらは 3DCG 制作に関連の深い PCパーツが充実しており私もよく利用しています。(パーツまとめ買いに適しており、自作ユーザーにお勧め)
逆に TSUKUMO が販売する高性能 BTO パソコンは、3Dゲームユーザーをターゲットとしたパソコンであるため、3DCG 制作用途には適しませんので注意して下さい。
国内メーカー製のデスクトップパソコンは個人的にはお勧めしません。最近は分かりませんが、国内のメーカー製パソコンは独自というかメーカーにとって都合の良いハードウェア・レベルでのチューニングが行われている事も多く、問題が発生した場合に手の打ち様がなくなるといった経験を他人のパソコンで過去に幾度となく経験しているからです。
3DCG 制作を目的とした場合です。一般の方が国内メーカー製のパソコンは購入すべきでないという話ではありませんので誤解のないように。