マウスを製造、販売しているメーカーは幾つか存在しますが、国内で入手可能でドライバ・アプリケーションの完成度やラインナップの数により、マイクロソフト、ロジクール(ロジテック) 製マウスを選ぶことにしました。
本稿は、ちょっと情報が古くなっているので 2014年10月現在 マウス選びについて、こちらで新たに書きました。
本稿で紹介するマウスが 3DCG 制作に適している訳ではありませんので誤解のないようにお願いします。 ロジクールマウスの Windows 環境における拡張ボタンの活用については最後のページで説明してします。
壊れたMX320 は既に2代目で前回購入した時はチルト機構を持たないホイールマウスはショップにありませんでした。
三度 MX320 を購入する気にはなれなず、チルト機構のないロジクールマウスを第一条件にマウスを探すことにしました。
日本橋へ出向く時間もなく、近場のジョーシン電気へ。
MX518 という機種がサンプル展示されており、条件を満たすのはこのマウスだけでした。ラッキーな事に直接さわって確認する事が出来ました。
マウス・ドライバインストール時に導入される SetPoint には問題が多いと前のページで触れましたが、唯一、便利だと思う機能にドキュメント・フリップがあります。この機能は Alt + Tab でアクティブウインドを切り換えるのと同じ働きをします。
Windows XP までの Alt + Tab はマウスで選択出来ない、ドキュメントやフォルダは選択するまで内容が分らない、ホイールで選択出来ないなどまるで使い物になりませんが、これらの問題を解消してマウスだけで呼出すことが出来ます。
複数のソフトウェアを同時に起動して作業を行なう事が多い 3DCG 制作においては生産性向上に一役買います。
Alt + Tab の機能を改善するツールはいろいろありますが、私の場合、X Window 環境を多用するため、Alt + Tab に干渉しないドキュメント・フリップは都合が良く、拡張ボタンのあるロジクールマウスを選択する理由の一つになっています。
ドキュメント・フリップもたまに表示されないなど、いまいち不安定ですが
ショップで扱っていたチルト機構のないロジクールマウスはこの機種だけであった事が最大の理由です。ホイールボタンに中ボタンを割り当て、確実に機能させる必要があるためです。
後、ドキュメントフリップを前提とした拡張ボタンがある点です。
MX320の拡張ボタンはフリップボタンではなく検索ボタンとなっており、ホイールに乗せた指を曲げて指先でクリックする必要があります。
この MX518 はドキュメントフリップをデフォルトとする拡張ボタン(中央下)となっており、指を曲げなくても指の腹でドキュメント・フリップを呼出すことが出来るため実用性は高いです。
MX320 を使用する前は、フリップボタンを持つ M-BT85を使用していましたが、買い換えによって悪化した環境が3年ぶりに改善される事になります。
メーカーが説明するプロダクトのポイントは、高解像度、解像度切り替えでポインタ速度をコントロール出来るため "CAD、グラフィックユーザーに最適" とありますが、正直な所これはこじつけでしょう。あと、このデザイン、どこかで見たなと思いました。
ショップで実際に触れた印象は見た目に反して造りが安っぽい。にも関わらず販売価格は4000円と高額です。正直、何かの冗談?と思いました。直ぐに壊れるマウスにそんなお金かけたくありません。とはいえ、このショップに他の選択肢はなく、渋々・・・
ホイール クリックに中ボタンを割り当て、また中ボタンの使用頻度が高いためクリックの印象は重要ですが、以前のチルト付き MX320 によりも明らかに劣ります。具体的にはクリックするまでのストロークが長い上、感触も安っぽいです。
それでも押し方によってチルトが反応してしまうよりはずっとましです。ストロークは深いですが、ホイールは一定回転でしっかりと止まるのでホイールが反応してしまう事はありません。また、ホイール時にクリックが反応してしまう事もありません。
ホイールの回転自体は静かで上質です
標準サイズのマウスよりも一回り大きく、おそらく一般的であろう人差し指でホイールを操作する寿司ネタ握りではMX320を握った時の親指と薬指の間は約 5cm、 MX518 の場合は約 6.5cm と広くなります。
後述しますが、実はこの理由でこのマウスは早々にお蔵入りとなります。
このような持ち方では指先が広がるため、神経が散漫になるため3Dモデリングやベジェ曲線などの細かな操作には違和感を覚えます。逆に3つボタンマウスのように中指をホイール、薬指を右クリックという持ち方の方がしっくり来ます。
この大きさにしては重さは控えめなほうですが、3つボタンマウスに比べるとホールド感が乏しく重いため、3つボタンマウスの変わりに使用する気にはなれません。
中央一番手前のドキュメント・フリップがデフォルトで割り当てられる拡張ボタンは、指の腹で押せるので実用的な位置にあります。
手の大きさの違いを考慮しても、その他の拡張ボタンの位置は全く考慮されておらず、持ち方によって使い道が制限されます。
特にホイール上下に配置される拡張ボタンは実用性に乏しく、コマンド割り当てによる生産性の向上は望めません。
3つボタンマウスのように、中指をホイールに、薬指を右クリックという持ち方が出来る方で手の大きな人であれば、何とかホイール上の拡張ボタンに指は届きます。
人差し指で左クリック、ホイールを操作する場合、余程大きな手でなければ先ず先端の拡張ボタンに指は届きません。マウスの重さを考慮すると親指と小指で握る3つボタンマウスのスタイルでは長時間作業は難しいと思います。
親指の上部にくる二つの拡張ボタンは、大小二つのボタンの中央に指先の腹がくるように持たなければならず、ポジションが限定されてしまいます。薬指先端から手首の皺まで 18cm の私の手の場合、手の平を密着させると親指の腹は前の位置に来るため、手前の大きな拡張ボタンは押し難い位置に来ます。
手の大きい方であれば更に親指は前方へ位置するので、手の大きさの違いを考慮したとしても、押し易い位置を考えて配置されている様には思えません。
一見、非対称デザインの方が手に馴染むと思われがちですが、非対称デザインはポジションに自由度がありません。そのため、長時間使用するにつれてやはり合わないという事になる可能性は高くなります。
対象デザインは右手、左手を選ばないから良いと言われますが、それよりも持ち方に遊びが生まれるため、誰が使っても手に馴染み易いメリットの方が重要だと思います。
前の壊れたMX320はレーザー式、このマウスは光学式(オプティカル)マウスですが、2週間使用した限りでは、読み取り方式の違いが 3Dモデリング等、細かな作業に与える影響は感じませんでした。
赤い光が出ているのが光学式(オプティカル)、出ていないのがレーザー式です。レーザー式はマウスパッド等、環境を選ばない、光学式は光沢のある素材の上では使えない等、場所を選ぶという特徴があり、一般的にレーザーの方が精密な作業に適していると言われています。
このマウス、かなり以前から海外でゲーム用マウスとして販売されていたマウスと同じものでした。以前マウスを購入した際もネットでチェックしていましたので、どうりで見た事があるなと思うはずです。
ゲーマー御用達なキャッチであった事、とチルト機構がついていない事が確認出来なかった、ショップに実物がなかったというのが1年間に購入しなかった理由と言うことに。また、購入したパッケージに書いてあったCAD/グラフィックユーザーに最適という説明もやはりメーカーのこじつけでした。
明確な目的があってプロダクトをデザイン(設計)している訳ではなく、ボタンに機能制限を設ける等の差別化で同じ製品を販売するスタイルは相も変わらずという印象です。
しばらく使ってみた結果です。
ロジクール マウスのソール部は1ヶ月使っていると取れてしまいます。 ショップで見た時はサイズが大きく耐久性はありそうだと思ったのですが・・・
左は使用して3時間後のソール部です。始めは滑りも良く感動したのですが、しばらくするとマウスが重く感じるようになりました。
確認すると削れています。表面がざらついている光学式やレーザーマウス用の樹脂製のマウスパッドとの相性、というより摩耗し易い素材に問題があります。
削れてからの布製のマウスパッドとも相性はいまいちで、こちらは滑りは良くありません。
オマケでもらえるマウスのソールより粗悪です。このマウスも早々に対策する必要がありそうです。
購入してから 3日目で親指の付け根に痛みが出始めました。マウスを持っている時は特に負担を感じないのですが、他に思い当たる節がありません。マウスを握り続けて20年以上になりますが、このような痛みは今までに感じたことはありません。
ネットで調べてみるとマウスが合わないため、親指の付け根が痛くなるという事はよくあるようで、MX518 は自分の手には合わないと結論づけました。マグカップを持った際、親指の付け根に痛みが出るほど酷くなったため、このマウスもお蔵入りに・・・ orz....
始めは親指手前の拡張ボタンを使用したためと思い、1週間程 このボタンを使わないようにしましたが痛みは酷くなるばかり。おそらく大きさと持ち方の問題と思います。
次のページで説明するマウスに変えましたが、1週間程痛みが続いた後、やっと痛みがなくなりました。治らなかったらどうしようという恐怖がありましたが、仕事で使うマウスは重要と再認識しました。無理は止めた方が良いです。
この手のサイズのマウスは手を上に預ける事になる(手首と机に隙間が出来る)ので、ハンドレストを使用すると幾分持ち易く、負担は軽減します。
ここでの感想はハンドレスト使用時における内容となっています。下の方にちらっと写っていますが、左は私が使用しているお勧めのハンドレストです。
複数のショップが販売していますのでご注意ください。発送元 Amazon で購入されることをお勧めします。(在庫ありの場合、出荷が早く手数料が少ないため)
私の場合、マウスが壊れる時は前触れもなく突然、仕事で使う手前、実際に触れてから確認する必要がある、複数台ストックしておきたい思えるマウスがない、などの理由から毎度、近所で調達しています。
上新電機で 4,300 円 で購入して帰り、早速ネットで調べてみると、Amazon では 2,600 円で販売 しています。orz...
仕事で使う手前、仕方ないと言えば仕方ないのですが、このマウスは実売価格に異様な開きがあるのでご注意ください。
ちなみに Amazon のコンビニ決済であれば、正味、表示価格で購入する事が出来ます。送料、手数料は一切掛りません。 "この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します。" という商品に限られます。販売元にご注意ください。
チルト機構がないという意味では、3DCG 制作用途で視野に入るホイールマウスです。標準サイズよりも大きなマウスですので、手の大きな方、とにかく拡張ボタンが沢山欲しい方に適していると思います。
拡張ボタンのカスタマイズについては最後のページで説明します。
サイズ、非対称デザインが自分には合わなかったので、急場はこのマウスで凌ぐ事にして仕事に使えるマウスを探すべく日本橋へ。
次のページへ続きます。
ページ右エリアで取り敢えず使えそうなホイールマウスをピックアップして、日本橋で触れるものは片っ端から触って、CG制作者の視点で簡単な印象を書いていますのでそちらも参考にしてください。