本稿では 3DCG制作者、CAD ユーザを対象としたビデオカードの選び方について説明しています。ゲーマーなど一般の方は対象としていませんのでご注意下さい。
最終的に目的・スキル・制作環境にあった最適なビデオカードを御自身で選定できるようになる事を目的としています。
ミドルクラスでは、Lightwave3D 、CINEMA 4D 、ハイエンドクラスでは、3dsMax 、MAYA、Softimage|XSI が挙げられますが、これらの 3DCGソフトウェアは OpenGL を高度なインターフェイスとして使用しています。
OpenGL の実装はソフトウェアによって違いがあるため、ビデオカード(ドライバ)側が対応していないと不具合が生じる可能性が高くなります。
対応としているビデオカードであっても不具合は多く、動作保証されている訳ではない事に注意して下さい。3Dソフトメーカー側の推奨ビデオカードに関する情報も少なく、最終的には自己責任となります。
当サイトは 3DCG をテーマにしていますが、ここで紹介するビデオカード選びのポイントは CAD ユーザーにも共通する内容です。本稿の対象ユーザーは、主に Softimage XSI / MAYA / 3dsMax / LightWave3D / CINEMA 4D 、3D-CAD ソフトをメインで使われる方になります。
OpenGL はクロスプラットフォームのオープンな 3D-API であり、OpenGL を使用する3Dゲームも存在します。このような用途では、ここで紹介する OpenGL をメインとするビデオカードは適していません。
RADEON や GeFource などのゲーム用のGPUを搭載したビデオカードの方が、表示速度に関しては性能的に優れています。本稿で紹介するビデオカードは高いだけの性能が出せない無駄な投資になりますのでご注意ください。(勘違いしている方が多い)
3DCG 、CAD 用途に適したビデオカードを選ぶ上で基本的な事柄は以下のページで説明しています。初心者の方は先ずこちらを参照して下さい。
参照 => ビデオカードの選び方 ~ ゲーム用途 と 3DCG制作用途
上記記事は3年程前に書かれた物で現状に当てはならない部分があります。2007年末の現状に合わせて書き直す予定です。
本稿で紹介する内容は OpenGL の描画性能に焦点を当てて解説しています。マルチディスプレイ環境や出力系統、バス規格などハード面でのポイントは敢えて触れていません。(ややこしくなるので) 最終的にはこれらを含めて検討する必要があります。
この点は調べれば直ぐに分かることです。特にインターネット上で公開されている情報の多くは 3DCG、CAD 未経験者によるベンチマークやオーバークロックに関する情報であり、誤解されている方が多いと思います。
これらの理由から OpenGL に特化した、つまり、3DCG、CAD ユーザーを対象としたビデオカード選びのポイントに焦点を当ている訳です。
具体例を挙げて紹介していきますが、一般的に以下の手順を踏んでビデオカードの選定、品定めを行います。
これから3DCGをはじめられる方、叉は学校やスタッフなどに提供する機材調達を考えた場合、作業目的を考えてビデオカードを選ばなければ宝の持ち腐れになります。
特に、近年の GPU の性能向上は目を見張るものがあり、3世代前のハイエンドビデオカードの性能は エントリークラスの製品でも実現できている程です。
初心者がそれ程複雑なモデリングを行うとは思えませんし、アニメーション制作においても、表示品質の調整、簡略化、メモリ内プレビューなどの機能はソフトウェア側で提供されていますし、創意工夫でなんとかなるものです。必ずしも性能の高いビデオカードが必要になると言う訳ではありません。
CAD においてはこの辺の事情は異なります。特に工業CAD分野では物によって巨大なオブジェクトを扱うため、ジオメトリ計算に強い GPU を搭載したビデオカードを選ぶ必要があります。(生産性に直結します)