前のページでお話ししたように、ロジクール MX518 は早々にお蔵入りになってしまいました。手の大きな方には一つの選択肢である事に違いありませんが、チルト機構のないホイール マウス探しとサンプル展示による確認のため日本橋へ出かけました。
本稿は、ちょっと情報が古くなっているので 2014年10月現在 マウス選びについて、こちらで新たに書きました。
本稿で紹介するマウスが 3DCG 制作に適している訳ではありませんので誤解のないようにお願いします。 ロジクールマウスの Windows 環境における拡張ボタンの活用については最後のページで説明してします。
フリップを使いたいので性懲りもなくロジクールマウス、チルト機構がなく、標準サイズとなると自ずと候補は絞られます。
G3 Laser Mouse (G-3LS) というマウスに行き当たる訳ですが、このマウスもどこかで見たことのあるデザインです。というか、似たマウスを持っています。
2009年 8月末現在、チルト機構を持たないロジクールの標準サイズ ホイールマウスは MX518 と、この G3 Laser Mouse の2機種のみです。
右はロジテック初期の光学式マウスで裏を見ても全てが剥げ落ちて型番さえ分らないのですが、明らかに MX300、G-3LS はこのデザインを継承しています。外寸を測って仕様と比較すると殆ど同じなので日本橋のショップまで出向くことはなさそうです。
というのも、ボール式の頃のデザインほどではないものの無難に持ち易く長年使用していたからです。何年かぶりに引っ張り出してきましたが、中指先から手首の皺まで18cm の私には MX320 よりも遙かにしっくり来ます。昔からある標準サイズのマウスです。
ちなみにワイヤレスマウスは眼中になしです。1年足らずで壊れるマウスにお金をかけたくないからです。(ロジクールマウスは高価なマウスよりも安価なマウスの方が保証期間が長い)
タイミング悪く Amazon がシステム障害で注文出来ないため、日本橋に出向くことと相成りました。
スペックを見る限り、3DCG 制作に不要と思われるものばかりです。ゲームのためにスリープが無効、ドキュメントフリップに使えそうな※中央の拡張ボタンに対してドキュメント・フリップを割り当てられるかどうかは購入してみるまで分りません。
中央の拡張ボタンは事前に設定した2つの解像度を切り換える機能がデフォルトで割り当てられています。解像度を切り換える事でポインタの速度を即座に切り換える FPS ゲーム向けの機能です。
※ロジクールマウスは、ドライバ・アプリケーションで割り当て可能な機能を制限するからです。この点については後述しますが、不満に思っている方は多いです。
日本橋で購入後、早速、仕事に使えるか検証してみました。
MX518と同じく堅めな印象で、軽いクリックになれた方は長時間作業において慣れるまで指(関節)に負担を感じるかも知れません。まだ1週間程の使用ですが、その内スプリングが馴染んで良い具合に変わってくるかも知れません。
3DCG制作において重要な中央クリックに関しては、チルト機構を持たないため確実に実行する事が出来ます。(本稿でのホイール・マウス選びの絶対条件)
スプリングのためか、やや重くストロークが深く感じられる点は前述したMX518に似ていますが、ホイールの感触が雑でガラガラ音がなります。(昔のロジテックバルク品みたいな)
特に手前から奥へ回した場合、ガッガッガッとかなり大きな音がして非常に耳障りです。MX518は耳を澄まさないと聞こえないレベルです。
購入前に店内で実物を触りましたが雑踏で気づかなかったのか、それとも不良品掴まされたのか、ちょっと分りません。中クリックの感触が MX518 と同じ、回転方向によってガラガラ、バリバリ音が異なる、という事で、おそらく不良品ではないかと・・・ orz...
標準サイズのマウスでありながら合計6つのボタン、つまり、拡張ボタンは3つです。
FPS ゲーム等で解像度を切り換える事でポインタの動作速度を切り換える事を目的とした拡張ボタンですが、ドキュメント・フリップの割り当ても可能でした。
位置的にはドキュメント・フリップボタンに近い位置にあり、指の腹で押せる位置にあるため、ホイールから指を離さなくてもクリック可能です。以前使用していたMX320(右)の検索ボタンと違い実用的な位置にあります。
慣れの問題かもしれませんが、MX518と比べて 凸部が低いため、押したつもりが反応しないという事が良くあります。押し難いという訳でもありません。また、このボタンはハードウェアレベルで解像度を変更するためドライバがなくても解像度切り替えは機能します。この点が不安でしたがその他の機能割り当ては可能でした。
中央再度に位置する拡張ボタンですが、縦に長くどこを抑えてもリニアに反応するため自由度があります。左側はボタン中央から前方の位置に親指の腹がくるため実用の範囲内ですが右側は薬指がボタン前方をかすめる位置にきます。
薬指を曲げて握るような動作で内に寄せ、スイッチ前方をクリックする事になるため難はありますが、マウスを持ち直す必要なくクリック出来るので頻度の低い用途に使おうと思います。
ただ、コツを掴めば親指と薬指で挟み込む寿司ネタ握りでも持ち直さなくてもクリックする事は可能で負担はかかりません。(ボタン前方部をクリック) 手の大きな方には難しいかも知れません。
拡張ボタンは実用的な配置にあり、昔のマウスを使い易いと思われる方は、3DCG 制作における生産性の向上は望めそうです。
手の小さな方向け、女性用、子供向けといったレビューを良く見かけるのですが、このサイズは昔からある標準的なサイズです。
ここ数年は非対称デザイン、拡張ボタン付きの大柄なゲームマウスが大勢を占めているため、これが標準サイズと思われているのだと思います。
左は MX518 との比較ですが MX518 は海外でゲーマーに高く評価されたマウスと同じもので、拡張ボタンに割り当て可能な内容と名称を変更したマウスです。
国内では最近になってグラフィックユーザー、CADユーザー推奨マウスとして販売されており日本人で MX518 のサイズが合う方の方が少ないように思います。ロジクールの標準サイズのマウスは、廉価版に位置づけられたマウスぐらいしかありませんが、このサイズに最新機能を詰め込んだという印象です。
デザイン的にはロジクールの光学式マウスが登場した頃のデザインを継承していますが、昔は良かったと思っている3DCG制作者にとっては最良の選択肢になると思います。
このデザインの後継はM-BT85、そのデザイン継承するMX-310の関係に近く、M-BT85もよりも一つ古いデザインをインスパイアしています。
親指、薬指で掴むサイドはグリップを考え梨地になっており、周囲はつや消し黒塗装、クリア塗装と質感を対比するデザイン手法で高級感があります。まるで黒もの家電のようなデザインとなっており、仕事で10時間以上握りっぱなしのマウスに不要です。昔のように無塗装でその分安く作って欲しいです。
ソール部は MX518 と全く同じ素材で直ぐに摩耗します。ケーブルが堅めでマウス前方にスペースのゆとりがないとケーブルに押し戻される感が強いです。また、このマウスのケーブルにはフェライトコアが付いています。マウスで付いている製品は初めて見ましたが、レーザー2000dpiの解像度となると必要になるのでしょうか。
MX320(レーザー)から MX518(オプティカル)の時には感じられなかったポインタの動作精度ですが、G-3LSでは明らかに違うと体感出来ました。レーザーマウスの中では最高の精度を持つこのマウス、仕事には必要ないと思いましたが前言撤回です。
3Dモデリングで頂点位置を調整してみるとポインタの動作が非常に滑らかに感じられます。また、MX518と異なり指先が広がらないポジションと相まって作業に集中出来ます。ベジエ曲線などグラフィックス用途に最適ではないでしょうか。
これがゲーム用マウスなんて、、、もったいなさ過ぎます。この手のサイズでこの価格は高すぎると思いましたが、これなら納得出来るかも。ホイールマウスでは初めて "複数台ストックしておきたい" と思えるマウスです。でも高い・・・
このマウスの保証期間は3年ですが、製品サイクルはそれ以上に早いので頃合いをみて追加購入すると思います。ソールの耐久性、スリープ無効など不満点はありますが、チルト機構が未来永劫付かない事と改良を重ねるロングセラーモデルになる事を願います。
このマウスの一番のネックは価格だと思います。最近の大柄なマウスに不満を持っている方で、昔のマウスが良かったと感じている方には、先ず間違いないと思います。
私は日本橋のPCパーツショップで 4,600 円で購入しましたが、2009.9.6 現在 Amazon では 4,350 円となっています。コンビニ支払いであれば送料、手数料は掛りませんので正味、表示価格で購入する事ができます。初期不良の交換も簡単ですし。
引き続き、その他の選択肢として日本橋で確認してきたその他のチルト機構を持たないマウスについてお話しします。
2009年 10月 23日 価格改定により 2,000 円値下げとなっています。2台買い置きする事にしました。
2014年 9月追記 とうとうこのサイズの買い置きが壊れたので買い換えました。サイズ的には後継はこちらのマウスになります。
が、ショートカットに割り当てられる左右のボタンがなく、生産性が落ちました。マウス難民は一生、改善されそうにありません…
orz