これまで説明してきたとおり、3DCG や CAD など3次元情報を扱うアプリケーションでの作業を想定した場合、中ボタンの扱いやすさは非常に重要であり、マウスを選ぶ上で重要なポイントになります。
マウスを探す上で、最初の選択肢、分かれ道は以下の二つです。
これに加えて、先に説明した拡張ボタンによる生産性を重視する場合は、必然的にタイプ2のホイールマウス+α のマウスを探すことになります。1.のタイプの3つボタンで、この様な拡張ボタンを持つマウスは存在しないためです。
【ハードウェア】
私が "タイプ2" マウス選びにおいてハードウェアに求める条件です。何れも最低限、必要な条件です。どれか一つが掛けてもアウトです。
ホイールにチルト機構があると、ホイールクリックは中ボタンの代用にはなりません。チルトと干渉します。なによりも機構が複雑になるため、ハードなモデリング作業において耐久性に問題があることは先に説明した通りです。
【ソフトウェア】
拡張ボタンに割り当てる機能を定義したりするための、マウス制御ソフトウェアに求める条件です。拡張ボタンを視野に入れてるため、マウスの拡張ボタンを制御するソフトウェアの善し悪しも重要です。
これらの条件を満たすマウスをロジクールのマウスから物色することになるので、必然的に、対象となるマウスは、これらのソフトウェアに対応してるゲーミングマウスから選ぶ事になります。
あと、なぜ、これだけ不満をたらたら述べるロジクールのマウスから選ぶのか、という点ですが、とにかくマウスが壊れる度に難民になるのはしんどいので、耐久性が期待出来るゲーミングマウスであること。
マイクロソフトがゲームデバイスから撤退したこと。ゲームの分野では、最もハードウェアで実績があるのがロジクール(ロジテック)という点が主な理由です。
最近では、エレコムのマウスも捨てがたく、ロジクールマウスにはないエレコムマウスの魅力とメリットもあります。エレコムマウスについては、後ほど、次のページで解説しますので、併せて参考にして下さい。
以下、2014年10月現在、販売されている候補に挙げられるゲーミングマウスをピックアップしました。本稿の目的から明らかに外れるマウスは除外しています。除外したゲーミングマウスについては、以下を参照してください。
http://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/gaming-mice
主な仕様
・ゲームソフトウェア(ドライバ)が利用可
・サイズ 62.5 x 116.75 x 38.34
(横×奥行き×高さmm)
・重量 110g(ケーブル含む)
適正評価
・G3の筐体デザインを継承した昔ながらの標準サイズ
・左右の拡張ボタンが廃止 ( TДT)ナンデヤネン
昔からあるサイズで、平均的な日本人において持ちやすさ、長時間作業においては間違いないものの、G3にあった左右の絶妙な位置の拡張ボタンが廃止され、現在、手持ちの G3 よりも制作環境が悪化するため却下。
ただ、チルトホイールがなく、中ボタンの代用がそこそこ果たせること。ゲーム用途を想定して耐久性が考慮されていると考えれば、特にマクロやショートカットを望まない高耐久のオーソドックスなホイールマウスとしては、3DCG、CAD用途にお奨め。
ちなみに G100s はゲームソフトウェアに対応。解像度の切り替えは、こちらで説明したように不要であるため、このボタンを拡張ボタンとしてキーバインドしたりマクロに割り当てるなどの活用は可能だと思われる。
同じ筐体デザインの、ゲーミングマウスである手持ちの G3マウスは対応していませんでした。G3 と同世代の MX518 は対応しているのに… この辺がロジクールはいったい何を考えているのかよく分りません。
主な仕様
・ゲームソフトウェア(ドライバ)が利用可
・サイズ 72.2 x 112.7 x 39.9
(横×奥行き×高さmm)
・重量 112g(ケーブル含む)
適正評価
・チルトホイールではないため、中ボタンの代用になる
・ボタン数が多く、絶妙な位置にあるかは要確認
・横に張り出した形状と傾斜がつかみにくくないか要確認
・ボタン寿命が他の2000万回に対し、800万回と少なく耐久性に不安
横に張り出したデザインで大きく見えるが、掴んで持つタイプのマウス。奥行きからもサイズ的には G100s と近く、重量も大差ない。このマウスの注目点は、コンパクトながら、右、左、中ボタン以外に6つも割り当て可能なボタンがあること。
G3の公開マウスとするには、最低限、頻繁に使う二つの拡張ボタンは絶妙ウウ内地に配置されいる必要あり。ということで、注文前に近所の家電ショップで展示物を確認する事に。
2014年10月現在、仕様が同じ G300r という後継機で販売継続。平均的な日本人サイズで、常用作業マウスのサイズとしての第1候補。
一件、上記、G300のワイヤレス版と思いきや、サイズ、ボタンの数、重要等、全く違う。この時点で却下。
3DCG制作、CAD制作においては購入すべきでない、という結論。G300r と紛らわしいデザインなので注意喚起の意味で記載。
http://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/product/g700s-rechargable-wireless-gaming-mouse
主な仕様
・ゲームソフトウェア(ドライバ)が利用可
・サイズ 72.2 x 130 x 43.5
(横×奥行き×高さmm)
・重量 133g
適正評価
ボタンの数、配置、デザインは 旧ゲーミングマウス MX518 と全く同じ。かなり手のひらの大きな人でないと、ホイール前にあるボタンに指が届かない。マウスを掴んで持ち上げるのではなく、常に地面を這わせるような使い方を想定した横に幅広い筐体で、長時間耐えられる作業用マウスとしては向かない。
また、左の親指で操作する2つのボタンの位置は絶妙な位置とは言いがたく、頻繁に操作するボタンに割り当てて使用すると親指が痛くなり、間違いなく体を壊す。
ただ、手の大きな方や、海外のゲームユーザーに評判がいいようでロングセラーの筐体。あくまでゲーム用途であり、マウスを掴んで持ち上げにくい形状で、3DCGモデリング用途に向かないことは MX518 で確認済み。
自分的には、G3の両サイドボタンもこの筐体と同様にロングセラーとして残して欲しかった。
MX518との違いはセンサー方式や精度などの違い。同じ使えないものを2つ所有する意味が無いので却下。3DCG制作、CAD制作においては自分的には合わないことは実証済み。ちなみに私の手首から中指の先までの長さは17cm。
G100sにサイドの拡張ボタンが廃止されていなければ、悩むこともなかったわけですが、自由にキーバインドできる3つのボタンがどうしても必要であるため、これらの条件を満たすマウスはG300rということになりました。
注文する前に、近所の家電量販店で実機を確認してきました。
こちらで紹介したように、注文する前に近所の家電量販店に実機を確認しに行きました。幸いG300 が展示してあったので、注文する前に実際に手に持って確認することが出来ました。
ちなみに店頭での販売価格は 2400円(税抜き)で、Amazon の方が安かったです。騒がしく明るい、落ち着かない場所で触っても、実際に部屋で使うと、随分印象が違うものですが、以下の点が気になりました。
展示品を実際に手に取った所見はこんなところで、現在使用中の G3 を超える、これは!というインパクトはなし。ボタンの耐久性が800万回と少ない事が気になるものの、ロジクールのゲーミングマウスでは、他に選択肢がありません。
コンパクトなサイズにマクロも割り当て可能な9つのボタン、というのは、それだけでも価値がある、と割り切るには十分な理由です。注文する事に。
これらは慣れの問題も含むので、1ヶ月ほど使用してから、ここでレビューしたいと思います。