顔の 3D CG モデリングに限った話ではありませんが、 3D CG モデリングには、「これが正解だ」という答えは存在しません。ポリゴンモデラーにおける 「 顔の 3D CG モデリング 」は、ある人はプリミティブの球体から、ある人は 断面のラインを描いて面を作成 するなど、様々なアプローチの仕方があります。
過去10年以上、考えられる方法は全て試してきたつもりですが、ここでは応用の利く 「顔の 3D CG モデリング」方法と考え方を示します。サブディビ系ポリゴンモデラーを搭載するソフトに共通する考え方です。ソフトは限定しません。
モデリング以前に、モデラーの特性を理解しておく必要があります。ここでは、ポリゴンモデラーを対象に説明している点に注意して下さい。詳細は以下を参照して下さい。
参照 => 3DCG ポリゴンモデラーの特徴 ~ モデラーの種類と特性
参照 => 3DCG スプライン系 3Dモデラ特徴 ~ モデラーの種類と特性
ポリゴンモデラーの場合、スプラインベースのモデラーに比べるとルールが少なく、融通が利くためアプローチの仕方は大した問題になりません。顔に限らず、複雑な動物系有機形状モデリングも同様の事が言えます。
顔といってもデフォルメされたキャラクターもあれば、リアルな顔の 3D CG モデリングもあり、それぞれに適した 3D CG モデリング技法が要求されます。
リアルな顔においても、皺だらけの老人の顔と、若い女性や子供の顔とでは、アプローチの仕方も変わってきます。つまり、顔によってそれぞれアプローチは異なります。「頂点の多くなる複雑な形状」と、「少ない頂点で構成される形状」 に分けて説明します。
デフォルメされたキャラクターにおける 顔のモデリング アプローチです。
つまり、少ない頂点数で表現可能と予測される有機形状モデリングです。紹介されることも多く、最もポピュラーなアプローチといえるかもしれません。
ポイントは、1のプリミティブ形状をどうするかです。例えば、球体の場合、最初の分割数はどうするかという点です。これはキャラクターのデザイン的な特徴により変わってきます。丸顔や角張った顔によって適宜判断します。場合によっては、旋回形状 を使うのも手かもしれません。
球体などのプリミティブを利用し、少ない頂点数から徐々に頂点を増やし形を作り込んでいく方法は、最終的に少ない頂点数になるデフォルメされたキャラクターに対して有効なアプローチです。
つまり、リアルな顔のモデリング アプローチです。このようなケースは、上記アプローチでも作成可能ですが要領が悪く生産性は高くありません。私が昔から行っているアプローチを以下に示します。
このように最終的に頂点数が多くなることが分かっている 顔の 3D CG モデリング を行う場合は、上記図に示すように、平面状で、あらかじめ必要な頂点数を確保し、下絵に合わせてポイントをXY上の平面で整地しておきます。
次に、奥行き(Z軸)に頂点を整地させることでラフな形状を起こしていきます。一見、編集する頂点が最初から増えるため、生産性が悪いように思えますが、頂点の編集作業は Z軸にある程度集中 できるため、下絵を優先させたいような正確な 3D CG モデリングの場合は、トータルでみると極めて効率的です。
表情を付ける場合に重要になるワイヤーフレームの流れ(頂点の位置)を初期の段階で意識し易いというメリットもあります。
ワイヤーフレームの流れは重要です。