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SubDivポリゴンサーフェイスによる生物の造形

モデリング関連

はじめに

人間の ”手” をモチーフにサブディビジョン系ポリゴンモデラーにおける生物モデリングのアプローチについて紹介しています。LitghWave 9.6 による手の造形、ウェイトマップ作成手順、具体的な設定、注意点など実例を交えて具体的に説明します。

現地点で最新の LightWave 9.6 を使用していますが、SubDivサーフェイスの特性上、同様のモデラーを持つ3Dソフトであれば考え方は共通しますので何らかのヒントが得られるかも知れません。

本稿の目的

少ない頂点で構成される SubDiv サーフェイスは、生物系モチーフの造形に適しており、動物や人物など生物系モチーフはポーズ付けなどオブジェクトそのものを変形、あるいはアニメーションさせる事を前提とする事が良くあります。

LightWave 9.6 のインターフェイス

中でも Boneシステムによるスキニング(変形)が必要となるケースでは、メッシュの流れが後のBone スキニングの品質に大きく影響するため、モデリングの段階でこれらを想定して作業を進める必要があります。

つまり、造形の段階で前後の技術を想定する必要があり、何も考えないで作成された3Dデータは、ポーズ付けやモーションなど後の展開は望めないという事になります。

建築・プロダクトデザイン分野ともっとも異なる部分であり、生物系モデリングの奥深い所ではないでしょうか。特に 3DCG 歴の浅い方にとって制作プロセス前後の技術を想定しながら作業を進める事は極めて困難であるため、その一例を知って頂く事が本稿の第一の目的になります。

対象者

LigjhtWave 3D の基本的なインターフェイスを理解しており、主にキャラクターモデリングに初めて取り組まれる方を対象としています。基本的な考え方はBoneシステムを持つ3DCGソフトウェアにも共通しますので何らかのヒントが得られるかもしれません。

形状の本質を知る事の大切さ

生物モデリングがテーマとなりますが、これらのモチーフに共通する特徴に ”三次曲面から構成される” という点が挙げられます。自動車に代表される工業製品でも複雑な三次曲面から構成されるデザインと違い正確な三次曲面は要求されません。

これは生物のモデリング(頂点編集作業)は主観による操作比率が高い事を意味します。三面図等、比較的入手しやすい工業製品と異なり、生物系モチーフにおいてはスケッチをするなどして 3Dモデリングに必要な下絵を準備する必要があります。

主観が中心となる頂点編集のポイント

モデリング作業に入る前にデッサンを行い形状を把握しておく必要があります。部分的なラフスケッチでも構いませんし、写真にワイヤーフレームメッシュを自分で描いてみるのも良いと思います。

避けるべき行為は、闇雲に動かした手で得られる結果に期待してはいけないという点です。 主観に頼って闇雲に頂点編集を行なうと無駄に時間を浪費するだけの結果を招くだけでなく、作品の完成度にも影響します。

コンピュータ、ソフトウェアは道具の一つに過ぎず、センスが道具や技術を上回る事があるとしても、道具や技術がセンスを上回るという事は決してないからです。弘法筆を選ばずとはまさにこの事です。(筆のレベルに達していない筆もありますが)

常に生産性を考える

短い人生、時間は大切ですから時間制約のない趣味で取り組む場合も生産性は常に意識するというのが私の考えです。どうすれば効率よく作れるかという事を常に念頭において取り組む姿勢は、仕事の場合でも趣味の場合でも違いはありません。

ある程度ソフトウェアの操作体系を習得すれば、その姿勢が今後上達する秘訣です。何事においても言えることだと思います。

“手” をモチーフに選んだ理由

“手” をモチーフに選んだ理由には幾つかあります。一つは、もっとも身近にあって資料に事欠かない事です。また、人体の中でも骨格が形状に大きく影響を与えるパーツである事です。これは後に解説するBoneシステムを理解する上でも適しています。

他にはリアリティを追求する場合、身近なモチーフであるため造形に関しておかしな点を見出し易い、汎用性の高いパーツであるため制作物が無駄にならない、などの理由もあります。

特にリアルな人体の造形は3Dモデリングの中でも難易度は高く、骨格や筋肉の流れを意識して造形しなければ少しでもおかしな点は気が直ぐに気が付きますし、周囲の人に見てもらって客観的な視点で指摘してもらえます。

本稿では ”手” を題材に LightWave における生物系モデリングのアプローチを説明していますが、これだけのスキルがあれば骨格、筋肉、動きなど観察は勿論必要ですが、どのような生物でも造形出来るだけの3Dモデリングのスキルは身につくため、初心者が最初に取り組む習作モチーフとしては最適ではないかと思います。

本稿は “手の作り方” を指南している訳ではなく、手をモチーフに生物系モデリングのアプローチについて解説している、という点に注意して下さい。

資料に関して

リアリティを求めれば解剖学などの書籍で骨や筋肉の付き方を考える必要もあるでしょう。漫画、イラストなどデフォルメされている方が理解し易い場合もありますが、誤った認識を植えつけられる危険性もあります。デフォルメといってもベースがあってこそのデフォルメです。

そういう意味では 3Dにおいてリアリティを追求する場合、解剖学の視点から研究した方が理にかなっています。現在は入手困難ですが、お勧めは レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図集です。絵画のリアリティを探求する目的で描かれたスケッチであり持っていて損はありません。

関連する資料、書籍はこちらで紹介しています。


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モデリング / TIPS / 考察

  1. モデリング ~ 目次 (一覧)
    1. NURBS モデリング 関連
    2. ポリゴン モデリング 関連

手のモデリング (SubDiv)

  1. このドキュメントの概要
  2. 制作をはじめる前に
  3. 造形 ~ ベース形状の作成
    1. スケルゴンに関する注意点
  4. 造形 ~ "指" を作る
    1. LightWave の Bone 設定
    2. モーションと細分化タイミング
  5. 造形 ~ 掌部のモデリング
  6. 造形 ~ 甲部 / 指の接続
  7. 造形 ~ 全体のモデリング
  8. ウェイトマップについて
    1. ウェイトの正規化(Normalize)
  9. 前準備 ~ シーン作成
    1. 前準備 ~ スケルゴン修正
  10. ウェイト修正アプローチ 1
    1. ウェイト修正アプローチ 2
    2. ウェイト修正アプローチ 3
  11. 造形 ~ 形状の作り込み
    1. ウェイト修正後の頂点追加
  12. UVマップに関して
    1. UVマップを作成する
  13. まとめ ~ 要点の整理
    1. 本稿で使用したツール他

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工業 と 建築デザイン

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