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液晶ディスプレイの性能指標と駆動方式について

3DCG制作者のための液晶ディスプレイ選び

液晶ディスプレイは CRT(ブラウン管)ディスプレイと表示原理が異なるため、ディスプレイの性能指標も従来の CRTディスプレイと全く異なります。

このページでは3DCG制作を想定して一般的に言われている液晶ディスプレイの性能について説明します。

応答速度について.

液晶ディスプレイは原理上、応答速度という性能指標が存在します。これは素子がある色からある色へ変化する速度の事で、決まった測定基準がある訳でもありません。また、製品によって非公開とされている場合もあります。

具体的には応答速度が遅いと映像にぶれ、残像が発生します。主に動画向けとされる液晶ディスプレイは応答速度が速い事をアピールしていますが、原理上、従来のCRT(ブラウン管)ディスプレイには到底及びませんし、この先超える事もありません。

また、連続する映像では差程気にならない残像感も用途によっては作業効率の低下、目の疲労に直結します。これは液晶ディスプレイをお持ちであれば簡単に体験できます。Webブラウザなど文章が表示されたウインドで、マウスホイールではなく、スクロールバーを直接掴んで上下に動かして見て下さい。

恐らくは文字はぶれて読むことが出来ないと思います。2D描画性能の高いビデオカードとCRTであればこのような現象は発生しません。こんな使い方しないよと思われるかも知れませんが、3Dモデリング作業では常にこの状態が再現されることになります。

3Dモデリング時、ワイヤーフレームから形状を読み取る必要があるため頻繁にビューポートを回転させます。この時、テキストと同じようにワイヤーフレームがぶれてしまうため、作業に集中できないばかりか、目の疲労も半端ではありません。

このように映像では気にならない応答速度もテキストやワイヤーフレームなど明暗差のある輪郭のはっきりしたケースでは顕著に表れます。これは私が長年液晶ディスプレイに移行できない最も大きな理由の一つとなっています。

ワイヤーフレーム色や背景の色を変えることで軽減できる場合があります。

視野角について.

液晶ディスプレイの性能を判断する重要な基準の一つに ”視野角” という性能指標があります。見る角度によって均一した画質が得られるかという事であり、応答速度と同じくCRTでは考えられなかった液晶ディスプレイの致命的な弱点の一つです。

具体的には見る角度によって発色やコントラストが異なって見える現象の事で、ディスプレイの中央と端では視点からの角度が異なるため端に行く程、異なった色に見えてしまいます。例えばデスクトップの色を単色カラーの ”水色” で指定しても、左右、上下は ”紺色” に見えてしまうなど、とても色彩を扱う仕事で使う事は出来ません。

視野角が狭い程、この現象が顕著に表れ、視野角が広い程、この現象が少ない事になります。この問題は原理上、液晶全てに対して言える事ですが、液晶パネルの方式、改良によって視野角の広さに違いがあります。

特に色彩に関係する仕事で使う液晶ディスプレイの場合、どうしても譲れない重要な条件になります。

液晶パネルの方式.

一口に液晶といっても液晶の駆動方式には複数存在し、それぞれ視野角、応答速度の得手不得手があります。応答速度と視野角は液晶ディスプレイを選ぶ上で基本的な性能指標と言えるため、購入する液晶ディスプレイがどのタイプの液晶パネルを採用しているか知る事は、液晶ディスプレイ選びの第一歩と言えます。

2009年10月現在、液晶ディスプレイ、テレビで採用されている液晶パネルの種類には、TN型、VA型、IPS型 の3種類があり、それぞれ特性が異なります。 VA型の中にも視野角の狭さを改善した製品、IPS型でも応答速度を改善した製品など存在し、下記表が全て当てはまる訳ではないので注意が必要です。

TFT液晶 応答速度
(白黒白)
応答速度
(中間色)
視野角 コントラスト 価格
TN型
VA型 高(TV向き)
IPS型 低 (差が少ない) 自然(高め難い)

同じ駆動方式でも特性の異なる様々な液晶ディスプレイが存在しています。例えば VA の改良型である S-PVA は IPS より高い視野角を持っていますし、TN/VA型でもオーバードライブにより応答速度を引き上げているものもあります。

TN/VA型はオーバードライブにより応答速度を引き上げた場合、オーバーシュートが発生し易いなどの弊害もある

昔の応答速度は 白→黒→白への切換え速度を一般的な指標としていましたが、このような映像はエンドロールやテロップぐらいで現実的ではないため、中間色→中間色への応答(切換え)速度もカタログ スペックに記載されるようになっています。

以前は TN型が応答速度が速いというイメージが定着していましたが、白→黒→白への切換え速度を応答速度を指標としていたためです。このような映像はエンドロールやテロップぐらいで現実的ではありません。

実際はTNの中間色応答速度は低いため、カタログ表記では応答速度が速いのに残像が気になります。慣例化している消費者に対するアンフェアなスペック表記であったため、最近はより現実的な中間色の応答速度も仕様書に表記されるようになっています。

応答速度に関して非公開にしている製品もあります。このケースは応答速度が遅い場合が多いのでこれらの性能を重視する場合は避けた方が賢明です。重要なのは中間色の応答速度になりますが、最高速度を記載しているメーカーと平均速度を記載しているメーカーがあるので注意が必要です。

本校の用途に適した駆動方式は

本稿の用途では、IPS の特性が最も適していますが、これまでは DTP (カラーマネジメント)を前提とした AdobeRGB広色域ディスプレイに採用されることが多く、応答速度は重視されていませんでした。(DTPには必要ないので)

2009年に入ってようやく sRGB にフォーカスした応答速度 5ms の IPS 液晶ディスプレイも登場した事が、メインの制作環境を CRT から液晶へ移行することを検討した大きな理由ということになります。

補足:倍速液晶 と液晶テレビ

2年程前から「倍速液晶」、「何倍速」を謳い文句にした液晶テレビが市場に登場しています。従来の液晶テレビ(ディスプレイ)は1秒間に60枚の絵を連続して表示するため 60MHz で駆動していました。

倍速液晶テレビでは、これを120MHz 駆動で動かしている訳ですが、実際にTV放送、映画、セルアニメなど実際に秒間 120 コマの絵が存在してる訳ではないので、間に「黒」または補完した絵を挟み込むことで残像を低減させる技術になります。

ただ、コンピューター用の液晶ディスプレイでこの機能を持つ製品は、2009年10月現在、120万円の一部の放送用ディスプレイに限られます。(パソコン、作業用ディスプレイとしてどの程度の効果が得られるのかは未知数で私も知りません)

液晶テレビについてですが、液晶テレビの中にはパソコンとの接続端子を持つ製品があります。また、三菱電機のパソコン用液晶ディスプレイの中にはテレビチューナーやBDやゲーム機など家電との接続を重視した製品も存在します。(マルチメディア シリーズ)

基本的にこのような製品はリビング等で映像を見る事を前提に作られていますのでガンマカーブや輝度調整など提供される調整機能はパソコンでの作業用途には適さないと考えた方が無難です。作業用ディスプレイとしては避けるべきだと思います。


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