1985年に開発者 Martin Hash 氏の卒業研究で作成したソフトが起源となっています。当初パスカル言語で開発され、Hewlett 68000(16bit メモリ2MB)で動作する 軽いプログラムでしたが、後にAmigaへ移植、その後、プログラマーKen Baer 氏によりMACへ移植され1990年"PLAYMATION"として販売されます。
アニメーションマスターは、1990年に登場した Macintosh の "PLAYMATION" の後継となった歴史ある3DCG ソフトウェアであり、Animation Master(アニメーションマスター)に名称変更された後、SGI / Alpha / Macintosh / Windows / Amiga に移植され、当時としては唯一のクロスプラットフォームで動作する統合型3DCGソフトでした。 (現在はWindows2000 XP / Mac OS-X のみ)
当時、スキニング(オブジェクトの変形)によるキャラクター・アニメーション制作が行える数少ない製品であった事、低価格であったこともあり、海外のホビーユーザーの間では高い支持を受けていました。
国内では、キャラクターアニメーション、セル・アニメーション制作を行う個人クリエイターに人気があります。開発元は大所帯ではないため、他の統合型3DCGソフトと比べると開発ペースはゆっくりとしています。
ホビーユースや個人映像クリエイターに人気があります。昔から海外で人気の高いソフトですが、国内でもアニメーションマスターで優れた映像作品を発表している著名なクリエイターは沢山います。
当初からスプラインベースのみのモデリングをサポートしています。このサイトではスプラインベースのモデラーはキャラクターモデリングには適さないと紹介していますが、アニメーションマスターのカーブはスキニング(変形)に適したカーディナル曲線であり、自由に接続ポイントを設定する事が出来ます。
反面、Shade のベジエ曲線を使用するスプラインベースのモデラーと比較して、工業製品など正確な形状を作成するのが苦手です。同じスプラインベースのモデラーでも Shade と アニメーションマスターは正反対の性格もっています。
プログラム自信も軽く非常に軽快に動作します。特にワイヤーフレーム表示はスプラインベースであるためキャラクターアニメーションなど動きの確認など快適です。
アニメーションマスターの最大の特徴は、低価格ながら強力なスケルトン、IK(インバースキネマティクス)機能を有する点です。関節の曲がり具合に応じて形状を変化させるマッスル機能や、髪の毛生成機能、衣服の変形など布の表現に必要なソフトボディーダイナミクス、ボールがピンに衝突して自動的に倒れるといったアニメーションが作成可能なリジッドボディなどのダイナミクス(物理計算)機能まで備えています。
レイトレーシング、ラジオシティの両方をサポートしています。昔からレイトレーシングレンダリングの品質はあまり高くなく、反射、屈折を多用する如何にもCGといったイメージ制作は苦手です。それなりの品質に仕上げるには、テクニックも要求されます。
Toon レンダリング(セル画調)レンダリングは、このクラスでは美しい方でセル・アニメーション制作に適しています。
レンダリングもマルチスレッドに対応していないため、現在普及しているマルチコアCPUの恩恵は受けられないというのは痛いです。
昔からなのですが、安定しているとはお世辞にもいえません。現在もかなりの頻度で落ちるようなので、ビジネス用途での利用は厳しいかと思います。
キャラクターアニメーション制作、価格という点では、ShadeよりもCARRARAと競合すると思います。
アニメーションマスターにラインナップはありません。
前述したとおり、アニメーションマスターは工業製品などある程度正確さが要求されるモデリングが苦手です。逆に Shade は得意としています。またShade はキャラクターアニメーションが苦手です。Shade は Animetion Master 形式の書き出しをサポートしており、正確さが要求されるモデリングはShade を利用するアニマスユーザーは多いです。
最も低価格な Shade 8 Basic でもアニメーションマスターの書き出しをサポートしているので、モデラーにShade を利用する事で弱点を克服する事が出来ます。
国内ではアートウェアが唯一の代理店でしたが、 ver.11 を最後に取り扱いを中止しており、ver.12 が最後の日本語バージョンとなっています。また、ver13 以降の日本語化、直接購入に関しては下記アニマスパークさんで情報が公開されています。
Animation Master の起動はキーCDとなっており、アップグレードには CD を購入する必要があります。Amazon では まだ ver.12 の日本語版が購入できますが、本家では既に ver 15 となっているので直接購入をお勧めします。(日本語版はありません)
キャラクターアニメーション制作に優れた低価格な統合型3DCG ソフトであり、セル画調レンダリングも品質が高く現在でもクリエイターの間で根強い人気があります。Shade が アニメーションマスターとの連携を意識していた時期もあり、eフロンティアさんがという期待もあったのですが。