3Dモデラーによってはソリッドモデラー、又はサーフェイスモデラーと呼ぶ事があります。これは、ポリゴンモデラーやスプラインモデラーのようにモデリングの手法を指しているのではなく、作成されるオブジェクトの属性を意味します。
ソリッドモデラーと称されるモデラーは、主にCAD系のモデラーです。ソリッドとは中身をもつオブジェクト属性となります。例えば、CAD系のモデラーでは、実際の製品に必要な材料を算出する必要があるため中身を持つソリッド属性である必要があります。
サーフェイスモデラーと称されるモデラーは、3DCG(グラフィックス系)ソフトウェアのモデラーです。 3D グラフィックソフトでは、表面上の計算が行えればそれでよいため、レンダリング時間を短縮するためにも属性がソリッドでは都合がよくありません。
例外もあります。例えば中身を持つ計算、肉厚のあるガラスの場合、屈折率を計算する場合はソリッド属性である必要があります。サーフェイス属性として計算すれば肉厚のないビニールのような計算結果となります。3D グラフィックソフトではマテリアルで有効にする製品やオブジェクトのパラメーターで指定する製品などまちまちです。
このようにサーフェイス、ソリッドとはオブジェクトの属性であり3DCG(グラフィック系)ソフトウェアではポリゴンモデラーであってもスプラインモデラーであっても一般的にサーフェイスモデラーと称します。サーフェイスモデラーと言えば3DCG系のモデラーという解釈で良いと思います。
メタボールとは、唯一の日本で考案されたモデリング手法です。右の画像のとおり、球体が引き合う距離により間の形状を補完します。
製品によってメタボールの呼称は異なりますが、一つの球体に対してそれぞれの融合する影響範囲を調整することでモデリングを行う点は同じです。
昔は メタボール専用のモデラーが存在しましたが、現在は存在しません。また、3D グラフィックソフトによっては、これらのモデリングをサポートしない製品もあります。人の体などの有機形状を作成することは可能ですが、顔などの目や鼻、耳など細かいモデリングには向きません。
上記の図は、互いに影響しあっていますが、メタボールをサポートする3Dグラフィックソフトによっては、反発する設定を行える製品もあります。つまり、接近すると影響範囲に応じて形状が凹むなどの表現が出来ます。弾丸が鉄板に高速で衝突し、オブジェクトが凹むといった使い方も考えられます。
余談
昔、当時のモデラーでは難しかった人体モデリングを、メタボールだけでリアルなバレリーナを作成したすごい人がいましたが知っている人はどれぐらいるだろう、、もう一度見てみたい。
このモデラーが活躍するのは、主に液体の表現です。パーティクルにメタボールを割当てることで液体アニメーションなどに利用されます。基本的に透明度があり、体積を計算する必要も出てくるので、一般的にメタボールはデフォルトでソリッド属性を持ちます。
これらの機能を組み合わせコップに灌ぐ水など表現できる拡張モジュールとして提供されている高価な製品もあります。
右の図はフリーの 3D グラフィックソフト Blender のインターフェイスです。球体だけでなく立方体や円柱などサポートしている事がわかります。
このような機能は以外にもハイエンド 3D グラフィックソフトでは標準でサポートされない事が多く、Shade や STRATA などエントリー クラスの製品、ミドルクラスの製品がサポートする傾向があります。ソフトウェアによって完成度に差があるのも特徴です。
金属の溶接部分など、正確さが求められないモデリングなどに重宝します。このようなオブジェクト同士が影響しあうモデリング手法を "メタ~" モデリングと呼ぶ事が多いようです。