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Sandy Bridge 第一世代 と 第二世代 ~ 3DCG-CPU考察

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2011年に登場する Sandy Bridge では CPU と GPU を統合する大きな特徴を持っていますが、ビデオカードを必要とする分野では不必要なCPUとなります。

また、2012年以降に登場するとみられるBloomfieldの後継となるハイエンド向け Sandy Bridge では、GPU を内蔵しない CPU になるとみられ、3DCG製作においてはこちらが本命になります。

GPUなし Sandy Bridge が登場するまでのハイエンドのポジションは 32nm プロセスで製造されるGulftown(6コア)-TDP130W が受け持つことになります。

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2011年に登場する Sandy Bridge

2011年に登場する Sandy Bridge は GPU 内臓 CPU であり、現在のハイミドルからエントリーまでカバーしている LGA1156 (Core i7 8xx / Core i5 7xx / Core i3) を置き換えるCPUとなります。

CPU コア数 HTT ソケット メモリ
Core i7 8xx
(Lynnfield)
4 LGA1156
(H)
DDR3 1333
デュアルチャンネル
Core i7 26xx
(SandyBridge)
4
& GPU
LGA1155
(H2)
DDR3 1333
デュアルチャンネル

当初、後発の LGA1156(H) の互換性は維持されると見られていましたが、実際には互換性はなく、換装で Sandy Bridge 世代のCPUにアップグレード出来ません。本稿でお勧めしたCore i7 8xx (Lynnfield) に該当するのが Core i7 2600番台になります。

この Sandy Bridge が持つGPUは、OpenGL アプリケーションを前提としたものではなく、3DCG制作には適さない無駄の多いCPUとなります。多くの3DCGソフトベンダーは SandyBridge のGPUはサポート外としています。

ターゲット

従来のグラフィックス統合チップセットの性能の底上げを図った Windows VISTA/7 のAero インターフェイスのための CPUとなります。このタイプは主にノートパソコンや低価格PCで採用される 3DCG制作には適さないタイプのPCです。

問題は 現在の TDP95W 以下の全ての CPU を このタイプの CPU へ置き換えようとしている点にあります。

メモリはマザーボードのメモリと共有する点は、従来の統合チップセットと同じであり、 専用の高速なVRAMを使うビデオカードを必要とする分野では無用の長物となります。(仕様上、ビデオカードと同時に使用する事が出来ないので無駄になる)

Intel がこのような CPU の投入を急ぐ背景に、ATI を買収した AMD に統合チップセット分野で大きな溝をあけられていた事と、Windows VISTA 以降に搭載された Aero インターフェイスを積極的に活用出来る GPU が必要だった事が大きな理由としてあります。

非常に生産性が悪く使えないと悪評高い Aero インターフェイスですが、十分な処理能力が得られている分野においても PCの買い換えを余儀なくさせるために、ハードベンダー側にとってはどうしても必要な機能だった訳です。

もてあます性能

このように第一世代の Sandy Bridge は 3DCG制作においては不要な要素が多く、デスクトップにおいては 主にゲームユーザー、Aero 大好きユーザーなど一般家庭を対象とした CPU となっています。

このようなマルチスレッドに特化したCPUは、一般家庭において動画のエンコードぐらいしか使い道がないため、おそらくは、AVXに最適化された動画エンコーダーを配布し、新CPUの性能向上をアピールするのではないかと思います。

パソコンの使い道を完全に見失っており、目的がオーバークロックそのものであったり、(デジカメ以上にビデオカメラユーザーがいるとは思えないのですが、) 動画のエンコーディングであったり、終演はそれほど先の話ではないように思えます。

GPU なし LGA1155 - SandyBridge の可能性

Lynnfield- Core i7 8xx に該当する TDP95W以下の GPU なしの Sandy Bridge が登場するかどうかですが、こちらは望み薄です。

CPU コア数 HTT ソケット メモリ
Core i7 8xx
(Lynnfield)
4 LGA1156
(H)
DDR3 1333
デュアルチャンネル
Core i7 26xx
(SandyBridge)
4
& GPU
LGA1155
(H2)
DDR3 1333
デュアルチャンネル

ビデオカードを必要とする分野は、2012年以降に登場すると見られるハイエンド 第二世代 のSandy Bridge(LGA1356)へ、OpenGLビデオカードを必要とする 3DCGワークステーションはXeonへ、明確に差別化したい意図があるためです。

CPUのターゲットにあわせてマザーボードのターゲットも変化しますので、パーツの選択肢は現在よりも厳しいものになる事が予測されるため、手軽に安価に 3DCGワークステーションを自作出来る環境は更に遠のくかも知れません。

OpenGLビデオカードに与える影響

基本的に DirectX や OpenGL をサポートするGPU自体に大きな違いがある訳ではなく、消費電力の低いエントリークラスの OpenGL ビデオカードは、1万円程度のゲーム用GPUとハードウェア的に多くが共通しています。

中途半端に Sandy Bridge iGPU の性能が高いと市場から1万円台のビデオカードが消える可能性もあります。そうなると OpenGL ビデオカードにも何らかの影響が出る可能性があります。

消費電力の高い OpenGLビデオカードしか選択肢がない状況だけは勘弁してほしいところです。3DCGワークステーションに関しては、 CPU、ビデオカードともに現状よりも消費電力が上がる可能性が高くなります。

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2012年以降に登場すると見られる Sandy Bridge

OpenGL ビデオカードが必要なる事の多い 3DCG/CAD 分野もそうですが、コアな3D FPSゲーマーなど、これまでビデオカードに投資してきた GPU を必要としないユーザー層は確実に存在しています。

GPUのない Sandy Bridge も計画されており、現在の Core i7 9xx (Bloomfield)に置き換わるハイエンド向けの Sandy Bridge は 2012年以降に登場すると見られます。こちらも、従来の LGA1366 (Soket B) と互換性はありません。

CPU コア数 HTT ソケット メモリ
Core i7 9xx
(Bloomfield
4 LGA1366
(B)
DDR3 1066
トリプルチャンネル
Core i7 9xx
(Gulftown)
6 LGA1366
(B)
DDR3 1066
トリプルチャンネル
SandyBridge
第二世代
8 LGA1356
(B2)
DDR3 1333/1600
トリプルチャンネル

一般市場向けの高性能CPUを 3DCGワークステーションに利用する場合、上記、LGA1155 - SandyBridge ではなく、こちらが本命になります。(ただし、ECCメモリに対応していない点は、現在の Nehalem世代の Core i CPU と同じ)

問題は 32nm とプロセスルールの微細化が進んでも、その分、コアを詰め込む事になるため、TDP130W 以上になる可能性が高い点です。個人的には 6コアGPUなしのTDP95W 版が登場するまで関心が全く持てません。

それよりも、2011年、早い段階でソケットLGA1156 CPUが、GPU ありの LGA1155 Sandy Bridge 世代に置き換わると、Core i7 8xxが入手困難な状態になる事の方が私にとっては問題であるため一般向けマザーボードで組む事になりました。


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