Nehalem 世代の CPU では ECCメモリが、、2011年以降に登場する Sandy Bridge では GPU が、、と、以前にましてワークステーション導入の際に勘案すべき要素が増えてしまいました。
今後は CPU の変化は環境に与える影響が大きくなる事も予想されるため、総合的に判断する必要性はマルチコアCPUが登場した当初よりも増しています。ここまでの要点をまとめました。
長々と書いてきましたが、要点毎に適正を挙げると以下のような結果になります。
高い演算能力が求められる 3DCG 制作の分野では、アーキテクチャの演算能力の優劣が重要である事から
CPU構成では、4コアCPU×1個 構成の 3GHz クラスのCPUが適しており、現状(Nehalem 世代)では以下のCPUが該当
TDP130W - 45nm - 4コア(HT8)- Soket LGA1366 | ||||
---|---|---|---|---|
ブランド / 該当モデルナンバー | コードネーム | ECC | 対応 CPU数 |
Chipset |
Core i7 920/930/940/950/960 2.677GHz~3.2GHz |
Bloomfield | × | 1 | X58 |
Xeon 3500番台 2.4GHz~3.33GHz |
Nehalem-WS | ○ | 1 | X58 |
Xeon 5500番台 2.4GHz~3.33GHz |
2 | X58(UP) i5520/i5500 |
TDP95W - 45nm - 4コア(HT8)- Soket LGA1156 | ||||
---|---|---|---|---|
ブランド / 該当モデルナンバー | コードネーム | ECC | 対応 CPU数 |
Chipset |
Core i7 800番台 2.533GHz~3.066GHz |
Lynnfield | × | 1 | P55 / H57 / H55 |
Xeon 3400番台 2.4GHz~3.33GHz P55で搭載可能なマザボが少ない |
Lynnfield | ○ | 1 | P55 i3400 i3420 i3450 |
参照 => Core i7 と 同一アーキテクチャの Xeonモデルナンバー
環境負荷、ランニングコストを考えると、ワークステーション用途においては消費電力はなるべく低い方が望ましい事から
ECCメモリが使えるかどうかという信頼性の面では
システム全体のコストでは
コストパフォーマンスでは
いずれも AMD Phenom II 搭載の 3DCGワークステーションは販売されていない現状がり、自作ユーザーに限定される
2011年に登場する Sandy Bridge CPU については
その他にも、上記条件を満たせる第二世代以降の Sandy Bridge CPU が登場するまでの時間や、目的、作業スタイルなど自分にあった CPU を考える必要があります。Sandy Bridge 世代については GPU なしTDP95Wモデルが登場するまで静観したい場合は、2年は待つ必要があります。
ワークステーション導入を考えた場合、Sandy Bridge 登場を控えたこの時期は、価格、安定性で熟れた Lynnfield が導入するには最高のタイミングという事になります。
2011/2/1 補足
CPUの設計ミスによる かなり致命的な不具合が発生しているようです。見送った方が 吉 でしたが、これ程の規模になるとは思いもしませんでした。
これらを総合的に判断すると Nehalem 世代の CPU では以下の CPU が最もバランスがよくワークステーション用途に適しています。
TDP95W - 45nm - 4コア(HT8)- Soket LGA1156 | ||||
---|---|---|---|---|
ブランド / 該当モデルナンバー | コードネーム | ECC | 対応 CPU数 |
Chipset |
Xeon 3400番台 2.4GHz~3.33GHz P55で搭載可能なマザボが少ない |
Lynnfield | ○ | 1 | P55 i3400 i3420 i3450 |
Core i7 800番台 2.533GHz~3.066GHz |
Lynnfield | × | 1 | P55 / H57 / H55 |
信頼性を優先させる場合は、Xeon 3400番台を、信頼性を犠牲にしても価格、OCで性能を稼ぎたい場合は、Core i7 800番台がお勧めです。自作ユーザーの場合、ECCメモリのサポートの有無より "お遊び前提マザーボード" の方が安定性に影響します。
当初、Bloomfield と性能差がなく、かなり高めの価格設定でしたが、Core i7 870 は半値近くに価格改定されたこともあり、私はこのタイミングで飛びつきました。
ECCメモリが使えないというデメリットはあるものの、長時間必要とする最終レンダリングは問題が生じた場合、他のPCで行える環境がある事もあり問題にはなりませんでしたが、やはり CPU よりも OC当たり前のマザーボードのほうが癖があり厄介でした。
一般向けマザーで組んだワークステーションについては、追って紹介します。
引き続き、ここで紹介した CPU を採用した 3DCGワークステーションを販売している、お勧めのPCメーカー、PCパーツショップが販売する 3DCGワークステーション特徴について紹介します。