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Nehalem 世代の Xeon と Core i7 を検証する

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引き続き本稿で推奨している 1CPU構成のHTT対応4コアCPU を使用したシステム価格を比較します。該当する Core i7 と Xeon の市場価格とメーカー製ワークステーションの価格を調べました。

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1CPU構成 Xeon と Core i7 の比較

Core i 世代のCPUで 3DCG制作を前提とした場合、性能、ランニングコストを総合的に考えるHT対応4コアCPU×1構成が適しています。

マルチコアCPUが普及した現在では、ワークステーション構成にTDP130W CPU ×2構成は適しません。

従来の Xeon と言えばマルチCPU構成を前提としたシステムを想像しがちですが、説明してきたように Nehalem マイクロアーキテクチャ世代(3000 系) ではシングル構成を前提とした Xeon プロセッサも登場しています。

マルチコアCPUの登場により、1CPUでマルチスレッド処理が可能になった事1CPUあたりの消費電力が増えた事もあり、ワークステーションや小規模サーバーの用途において、必ずしも 2CPU構成が必要ではないとの判断があったためと思われます。

Core i7 に該当する Xeon プロセッサ

前のページで説明しましたが、Core i7 に該当する 1CPU構成のNehalem マイクロアーキテクチャ世代(3000 系)になります。※1 Xeon 5500番台 は 1CPU構成も可能ですがメモリ性能が高くどちらかといえばサーバー向けCPUです。

TDP130W - 45nm - 4コア(HT8)- Soket LGA1366
コードネーム ECC CPU数 Chipset ブランド / 該当モデルナンバー
Bloomfield × 1 X58 Core i7 920/930/940/950/960
2.677GHz~3.2GHz
Nehalem-WS 1 X58 Xeon 3500番台
2.4GHz~3.33GHz
2 X58(UP)
i5520/i5500
※1 Xeon 5500番台
2.4GHz~3.33GHz
TDP130W - 32nm - 6コア(HT12)- Soket LGA1366
Gulftown × 1 X58 Core i7 980X Extreme Edition
3.33GHz
Westmere-WS 1 X58 Xeon 3600番台
3.33GHz
TDP95W - 45nm - 4コア(HT8)- Soket LGA1156
Lynnfield × 1 P55 /
H57
/ H55
Core i7 800番台
2.533GHz~3.066GHz
Lynnfield 1 P55
i3400
i3420
i3450
Xeon 3400番台
2.4GHz~3.33GHz
P55で搭載可能なマザボが少ない

※1 Xeon 5000系は DC(デュアルCPU)構成ですが、Chipset Intel X58 で 1CPU として使用する事が出来ます。X58 チップセットのマザーボードの多くは Core i7 が前提で ECCメモリをマザーボードがサポートしておらず、Xeon 対応とするマザーボードは WS 仕様としている一部のマザーボードに限られます。

CPU 単位での実売価格の差

同じ性能を持つ Core i7 と Xeon のCPU単位での実売価格の比較です。Core i7 870Xeon X3470とでは性能に差はありません。Xeon で ECCメモリを使用しなければ信頼性にも差がなくなり同等になります。

CPU ECC
DIMM
コア数 クロック TDP プロ
セス
ソケット 実売価格
2010/11
Core i7 870 × 4(8) 2.93GHz 95W 45nm LGA1156 25,000円
Xeon X3470 4(8) 2.93GHz 95W 45nm LGA1156 35,000円
Core i7 960 × 4(8) 3.20GHz 130W 45nm LGA1366 27,600円
Xeon W3565 4(8) 3.20GHz 130W 45nm LGA1366 52,000円
Core i7 980X × 6(12) 3.33GHz 130W 32nm LGA1366 86,500円
Xeon W3680 6(12) 3.33GHz 130W 32nm LGA1366 98,000円

実売価格で見るとCPU単価に大した差はありませんが、マザーボード、メモリなど周辺パーツも高価であるため、システム全体の価格は高くなります。メモリ、ECCメモリの市場価格はこちらで説明しています。1CPU Xeon であれば、Unbuffered +ECC DIMM が該当するメモリになります。

DELL Precision シリーズでの比較

HP や DELL のワークステーションは Xeon CPU を搭載しており、3DCGワークステーションの価格は従来より大幅にシステム価格が上昇しています。DELL に関しては Core i7 870 を使用した安価なモデルも用意されています。

Precision で Core i7 870 を搭載したワークステーションと同じスペックとなるようにカスタマイズした Xeon CPU搭載モデルの価格を比較した結果です。メモリ容量(4~6G)、ハードディスク(1TB)となるべく構成を近づけています。

DDR31066 トリプルチャンネルの影響は、3Dレンダリングパフォーマンスに影響は殆どないことから、3DCGワークステーションとしては CPU に関してのみみれば同等の処理能力を持っていると考えることが出来ます。

機種名 CPU クロック コア数 VGA システム価格
Precision T5500
エントリーモデル
Xeon X5667 3.06GHz 4(8) Quadro
600
373,412円
VGAの 選択肢が少ない(WSとして中途半端)
Precision T3500
パフォーマンスモデル
Xeon W3530 2.80GHz 4(8) Quadro
2000
175,915
VGAの 選択肢が充実 ミドルクラス以上の VGA
Precision T3500
エントリーモデル
Xeon W3530 2.80GHz 4(8) Quadro
600
169,978
VGAの 選択肢が中途半端
Precision T1500
パフォーマンスモデル
Core i7-870 2.93GHz 4(8) Quadro
600
146,140円
筐体・電源による拡張性に難 / VGAの 選択肢が少ない

比較は Core i7-870 に対して Xeon X3470 の比較が望ましいですが、現在 DELL にLynnfield Xeon(3400番台)搭載可能なワークステーションはラインナップされていないため、クロックで性能が近い Xeon X5667 1CPU構成と比較しています。

CPUのカスタマイズによってシステム価格は大きく異なる上、200MHz 程度のクロック差で5万円以上の開きがある CPU もありました。低クロック Xeon は価格が抑えられても3DCG 制作において生産性向上は見込めません。サーバー用途のCPUを乗せるというのは如何なものかと思います。

メモリ帯域は Xeon X5667 が上ですが、3Dレンダリングパフォーマンスに関しては影響は殆どなく、両者は同等のパフォーマンスを持っていますが ECCメモリサポートによる信頼性のみになります。

Xeon エントリーモデルではビデオカードの選択肢に制限を設けてられています。DELLを購入する場合は、T3500シリーズQuadro 2000 搭載機がコストパフォーマンスの面でおすすめ出来ます。

ここで示した事は、大した性能差がないのに、組み合わせ一つで ここまでシステム価格に大きな幅が出来てしまうという例です。(ワークステーション選びのポイントについては追って説明します。)

ちなみに自作でも Dell Precision T1500 とトントンの価格になりますが、メーカー製PC は OCによる大幅なパフォーマンス向上は見込めません。これは自作ユーザーの特権になります。ちなみに Core i7 870 であれば上記 Xeon W3530 搭載機を軽く凌げます。

引き続き、アプリケーション側の視点、つまり、作業内容、目的よってどのような CPU が適しているか、CPU の特性から Xeon と Core i7 のメリットについて考察します。


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