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ハードウェア導入ガイド WS 導入ガイド20101.マルチコアCPU の特徴
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3DCG制作に適したCPUを考察する 2010 ~ 2011

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以前にも3DCG制作を目的としたコンピューターについて紹介しました。時期的にマルチコアCPUが一般向けに普及し始めた頃ですが、 CPUビデオカードの組み合わせが重要であることは基本的に変わっていません。

しかしメーカー製ワークステーションのハード構成が大きく変化した事、2011年に登場する新しい CPU の潮流も含め、とりわけCPUに関連してワークステーションを選択する上で勘案すべき要素が増えています。

本稿では 3DCG制作を目的とした場合、ワークステーションを導入する上でどのような点に着目して選べば後悔しないか、CPU を中心にワークステーション選ぶ上で必要な事柄をなるべく分かりやすく説明します。

補足 AMD に関して

本稿では Intel CPU を中心に解説します。AMD は Intel X86 CPU の互換 CPUメーカーですが、3Dレンダリング、計算処理において重要な浮動小数演算能力に関しては、Athlon XP/MP 以来、Intel CPU を先行したことがありません。

3DCG制作の生産性を考えると 3Dレンダリング性能、演算能力に長けた CPU の方が適しており、本稿では Intel プロセッサを中心に説明しています。ただし、AMD にも大きなメリットがあります。この点は追々説明します。

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以前紹介した内容

3Dレンダリングは時間のかかる作業であり、計算時間はCPUの処理能力に大きく依存します。そのため、3Dレンダラはネットワークレンダリングや複数のCPUに分散して計算を行う並列処理に対応したプログラムは昔から数多く存在しています。

3DCGワークステーションと言えば、二つのCPUを搭載した高価なハードウェアが一般敵でしたが、一つのCPUに複数のコアを詰め込むマルチコアCPUが一般市場に広く普及した事によって、ハードウェアの敷居が下がった事で、個人でも本格的な3DCG制作環境が整えやすくなったという内容でした。

3DCGレンダラには(ネットワーク上含む)CPUの数に応じてライセンス料が必要なものが多く、CPU×2構成のワークステーションでは、2倍のライセンス料が必要でした。4コアCPUでは、1ライセンス料で4スレッド計算が行えることになります。ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの敷居(コスト)も下がった事になります。

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マルチコアCPUの特徴

4core CPU

従来はクロック数を引き上げることで CPU の処理能力の向上を図ってきましたが、現在は1CPUに複数のコアを詰め込むアプローチへ方向転換していますので、マルチコアCPUの基本的な特性を理解しておく必要があります。

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クロックの上限とコア数はトレードオフ

一つのCPUに詰め込むコア数動作クロックの上限はトレードオフの関係にあります。例えば、同じプロセスルールで製造された同じ TDP の2コアCPU4コアCPUを比較した場合、高クロック化し易い CPU は2コアCPUのほうです。

2コアより、4コアの方が消費電力が高くなるは当然の話であり、同じ消費電力(発熱)に納めようとした場合は、4コアCPUの動作クロックの上限を2コアCPUよりも引き下げる必要がある、と考えれば分かりやすいと思います。

殆どのソフトウエア、マウスやペンタブを使った GUI 操作は、マルチスレッド(並列)処理に対応しておらず、といいますか向かないため、下位にランクされる2コアCPUのほうが、実際に操作すると快適に動作します。

つまり、殆どのケースでは上位の4コアCPUに交換すると性能が下がる事になります。(性能が2倍、4倍になる訳ではない

バックグラウンドで動作する常駐型アプリケーション、例えば、アンチウィルスにだ表されるセキュリティ関連のソフトウェアはCPUに負荷を掛けずひっそりと動くため殆どの場合は大きな恩恵は得られません。ただし、高負荷時に他の操作が行えるメリットは大きく、何かしながら他の処理を実行するというヘビーユーザーには2コアまでなら通常用途でも恩恵があります。それ以上は動画のエンコードを四六時中かける以外にメリットは殆どありません。

恩恵の大きい分野

4コアや6コアなど多コアCPUの恩恵が得られるのは並列処理に対応したソフトウェアを使用する時に限られます。具体的にはには動画エンコード、3Dレンダリング、サーバープログラム等、人ではなくコンピュータが処理を行う分野が該当します。

昔から負荷の高いこの分野では、マルチCPU、ネットワーク分散処理など並列処理を前提に設計されることが多かったためです。

恩恵の少ない分野

逆に、人がリアルタイムに行う操作、具体的にはイラストやペイント、3Dモデリングなど CG分野が該当しますが、多くのプログラムでは並列処理に対応しておらず、対応しているとしても、特定のコマンド、フィルタなど部分的な対応に限定されます。(CG分野はクラウドコンピューティングと一番縁のない分野でもあります。)

複数のコア、CPUを使って同時に処理されるにはプログラムを書き直す必要があり、十分な処理速度が得られているのにコストを掛けてまでプログラムを書き直すメリットがないというのが現状です。クロックが上昇した時は単純な処理でも高速化の恩恵は感じられますが、コア数の増加だけでは体感する事が出来ません。

VISTA 以降の Aero インターフェイスや Adobe PhotoShop からも伺えるように、このような連続する処理は CPU よりもGPUの方が適しているため、今後は CPU ではなくビデオカード(GPU)の役割になっていくものと思われます。(GPGPU

特に 3DCG制作の場合、人が行う通常作業と、コンピュータが行う計算(レンダリング)作業、どちらの作業ウェイトも重要であるため、

  • 1スレッド性能が高いコア数の少ない高クロック2コアCPUにする
    3Dモデリングモーション制作など作業全般)
  • マルチスレッド性能を重視してコア数の多い4コアCPUにする
    レンダリング時間の短縮を最優先したい場合)

どちらを選ぶかが悩みどころで、3DCG制作工程のどこにウェイトをおいて CPU を選ぶか、が前回のテーマの一つでした。

まとめ

ここまでは以前紹介した内容のおさらいですが、Core i7 以降の CPU では、"クロックの上限とコア数はトレードオフ" という条件が緩和される新機能が盛り込まれており、性能面で2コアCPUを選択するメリットは薄れています。

消費電力の面では2コアCPUが優れますが、2コアCPUの今後はGPUを実装する傾向が強くなるため、別の意味で 3DCG制作には適さなくなります。

引き続き、Intel の現行CPUである Core i シリーズの特徴について見ていきます。


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