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CINEMA4D(シネマ フォーディー)の歴史、特徴について

モデリング関連

CINEMA4D の歴史

LightWave3D と同じくAmiga出身の3DCG ツールで長い歴史を持つ製品です。ドイツのMAXTON社が1989年に開発した歴史のある統合型3DCG ツールで、1995年にMAC Windowsへ移植されます。

当時から高速なレイトレーシング レンダリングを最大の売りとしていましたが、個人的にはマットな感じの癖のある品質であまり関心が湧かなかった印象があります。

R6 以降、レンダリング品質も大きく改善され、高速なレンダリング、パフォーマンスというこれまでの開発スタンスは現在も変わっていません。LightWave 3D に追いつけ追い越せ、か、どうかわかりませんが、R8のあたりから LightWave3D ユーザー数を上回ったというニュースは聞いた覚えがあります。

現在では、CAD関連を除く全てのモジュールを搭載した最上位パッケージ CINEMA4D R9.5 STUDIOバンドル のライバルは、価格、品質、映像制作に適しているという点で 3ds Max になると思います。

CINEMA4D の構成について

前のページでも触れましたが、CINEMA4D は他の 統合型3Dグラフィックソフトには見られない 素うどん方式 を採用しています。

CINEMA4D R9.5 (素うどん)に必要なモジュール(具)を追加することで用途に応じた CINEMA4D を構築する事が出来ます。無駄な機能を省くことができ、ミドルクラス以上の統合型3Dグラフィックソフトにありがちな習得の難しさを軽減し、更にコストを抑える事が出来る仕組みです。

CINEMA4D R9.5 (ベース)機能ごとの特徴

モジュールが一切含まれない、素うどんの CINEMA4D R9.5 の機能毎の個人的な評価をまとめました。

インターフェイス

非常に洗練されたインターフェイスを持っており、ハイエンド3DグラフィックソフトやLightWave 3D と比較しても取っ付き易く、これから 3DCG を考えている方にもおすすめできます。 また、動作も非常に安定しています。

モデリング機能

CINEMA4D はサブディビジョン系ポリゴンモデラ-を採用しています。骨子となるローポリゴンにHyperNURBS と呼ばれる属性を与えることで可能になります。ポリゴンの頂点を編集することで造形する点は LightWave 3D と同じです。モデラーの特性上、インダストリアルから建築、キャラクターモデリングまで幅広い分野に対応する事が出来ます。

ただ、サブディビジョン系ポリゴンモデリングにおいては、編集機能、操作性で LightWave 3D の方が実力は上です。

NURBS、Bスプライン、カーディナルなど複数 のスプラインカーブを使用できますが、押し出し、旋回程度にしか利用できず、Maya や XSI のような(トリム・フィレット等)高度な NURBSモデリングは行えません。また、メタ系モデリングも制限が多く、品質は高いほうではありません。

アニメーション機能について

IK(インバースキネマティクス)やクロス(布)、物理計算、パーティクルなどのエンターテイメント性の強い映像制作に必要な機能は一切含まれておらず、別途それぞれのモジュールを追加する事になります。

基本的なキーフレーム モーション、Fカーブ編集、また関数式によるモーション制御(エクスプレッション)は標準で備えているため、インダストリアル分野などのプレゼン用途のアニメーション制作、建築分野でのウォークスルーアニメーションやフライスルーアニメーションなどの制作は可能です。

レンダリングエンジンについて

レイトレースレンダリングの品質は非常に美しいです。ハイエンド3Dグラフィックソフトでは、何れも外部レンダラ MentalRay を採用していますが、独自のレンダラを持つ統合型3Dグラフィックソフトの中では、トップレベルの品質とレンダリング速度を持っています。

また、昔から マルチプロセッサ環境においては高度に最適化されており、通常のレンダラは、2CPUでも 1.3~1.5倍程度のレンダリング速度向上が一般的ですが、CINEMA4D は理論値一杯の1.8倍強のパフォーマンスを引き出す事が出来ます。

インプレスの 『 Pentium Extreme Edition 840 (デュアルコア HT対応 CPU) ベンチマーク 』 の記事では、CINEMA4Dのレンダリングエンジンを持つレンダリングベンチマークソフト CineBench 2003 を使ったベンチマークテストが公開されています。

CINEMA4Dのレンダリング ベンチマーク結果

HT(ハイパー スレッディング) を使用した4スレッドレンダリング と1CPUでのレンダリング結果を比較しています。CINEMA4Dのレンダリング ベンチマーク結果を見れば、ほぼ倍、マルチプロセッサに高度に最適化されたされたレンダリングエンジンを持っている事がわかります。一般的な3Dソフトウェアのレンダラでは、精々1.3~1.5倍程度の恩恵しか得られません。

高度に最適化する開発スタンスは、クロス、ダイナミクス、ボリュームレンダリングにおいても同様の事がいえます。特にハイエンドクラスの3Dソフトはバージョンが増すごとに基本的なレイトレーシングパフォーマンスが低下する傾向がありますが、CINEMA4D はそんな事はありません。

CINEMA4D レンダリングエンジンのアドバンテージ .

CPUの高クロック化は、4GHz に達しない状況となっており、デュアルコアCPU など安価にマルチプロセッサ環境が手に入るようになっています。これまで、CINEMA4D ほどマルチプロセッサ環境での強みを強調した3Dグラフィックソフトは他になく、また、マルチプロセッサ最適化の開発に力を入れてきた3Dグラフィックソフトも私の知る限りはありません。

デュアルコアCPU が普及し始めている現在、ライバルに比べ CINEMA4D のアドバンテージは非常に高いといえます。今後、他の3Dグラフィックソフトも並列処理に関して力を入れてくる事も予想されます。

関連 => AMD と Intel のデュアルコアCPU 比較・考察

豊富なライト

実に 9種類のライトを備えており、なかでもオブジェクトそのものを光源体と設定する事も可能で、グラデーションを投影することも可能です。レイトレーシングレンダリングにおいても様々な絵作りが行えるような配慮がされているのも素晴らしいと思います。

また、Maya などにも搭載されているライトの影をテクスチャに焼き付ける機能を持ち、レイトレースレンダリングの負荷を抑えることも可能です。レイトレーシングレンダリングが高速であることもあいまって、非常に絵作りの行い易い3Dソフトである事は間違いありません。

あまりライティングテクニックを必要としないラジオシティに頼らなくても、ライティングに自信がある人であればフォトリアルイメージを制作する事が可能です。

CINEMA4D R9.5 はどんなソフトか?

モジュールは付属しないベースの CINEMA4D R9.5 は、シンプルながらモデリング、レンダリング、アニメーション制作が行える統合型3Dグラフィックソフトです。

しかし、シンプルな "素うどん" とはいえ、出汁、麺とも超一級品です。それぞれの品質、完成度が高く、高速なレイトレース レンダリングエンジン、豊富な光源に影の表現、グラデーションの投影など絵作りを行う上での基本機能は、高い次元でバランスの取れた統合型3Dグラフィックソフトといえます。


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