マルチプロセッサ環境を使用した経験のない方のために、デュアルコアCPUを搭載したパソコンを購入する際の注意点について説明します。
2005年に書かれた記事で内容は古くなっています。2007年末から2008年初頭にかけての CPU に関する説明は3DCGワークステーション導入アドバイスで説明しています。
デュアルコアCPU とは、二つの CPU (中央処理装置) を一つの CPU にまとめたCPUです。2005年5月に発売されて間がない新しいCPUです。
見た目は1つの CPU ですが、従来のデュアルCPU 環境と得られるメリットは同じです。マルチプロセッサ(並列処理)に対応したプログラムでなければ、処理速度の向上はありませんが、マルチプロセッサ非対応のソフトを使用する上では以下のメリットがあるとされています。
複数のアプリケーションを実行する場合、例えばウイルススキャンをかけながらインターネットを行う場合、ウイルスチェックソフトがCPU に与える負荷は1CPUのみで、もう一つのCPU を使って他の作業がスムーズ行えます。つまり、パソコン2台を1台のパソコンで使用する感覚です。
これは、起動するプログラムが全てマルチプロセッサで動作するプログラムではないため得られるメリットです。もし、同時に実行するプログラムのどれか一つでもマルチプロセッサに対応したソフトであれば、二つのCPUに高負荷がかかり従来の1CPU と同様、並行作業が困難になります。(この場合、マルチプロセッサに対応したソフト側で複数のCPUを使用しないように指定)
しかし、一般的な用途においてはCPUメーカーのデュアルコア、又はマルチプロセッサを推奨するふれこみには疑問点が多いです。
これらの理由から、ユーザーがインターネットしながら、他の処理ができるというメーカーの触れ込みは矛盾しています。
マルチプロセッサに対応したエンコーダーの場合、時間の掛るエンコーディング処理を行いながら快適にインターネットを行う事は出来ますが、デュアルコアCPUをフルに使った場合はそれが出来ません。
エンコーダー側で1CPUだけを使用するように指定しなければなりません。一般ユーザーがデュアルコアで得られる恩恵は非常に限られており、デュアルコアCPUにして良かったと思える事は殆どない筈です。
関連 => 並列処理に関する誤った解釈