前のページで XP Professional x64 が動作する最低限のハードウェア条件を説明しました。このページでは現在使用中のパソコンがこれらの条件を満たしているか調べる方法について説明します。
CPU-Z というソフトを使う事で、現在使用中の CPU、マザーボードの情報を確認する事が出来ます。オーバークロック等の記事でよく見かけるツールです。
入手先 => CPUID
解凍して実行するだけです。至ってシンプルなソフトなので説明の必要はないと思います。私の管理下にある8台のパソコンから品質・使用目的・CPU の異なる対照的なパソコン2台を選び、具体的な確認方法を示します。
何れのパソコンも自作機なので素性はわかっての上ですが、マザーボードに関して主に該当するのはPCパーツショップが販売しているショップブランドのPCになります。メーカー製パソコンの場合はこちらを参照して下さい。
インテル・プロセッサが搭載されたパソコンです。このパソコンは 3DCG 製作用に安価に組んだワークステーションです。
OC 常用使用を前提とした自作機であるため、性能は CINEBENCH 9.5 のスコアは 1000 を超え、Super π 104万桁 は 17秒です。何れ Core 2 Quad か FSB1333 の Core 2 Duo に変更する予定で組んだイレギュラーな自作機です。
Intel CPU が搭載されたパソコンの場合です。CPU-Z を起動して CPU タブを確認します。(クリックで拡大します)
EM64T という表記があれば、搭載されている CPU は x64 CPU であり、XP Professional x64 の動作条件に該当します。
続いてマザーボード名、チップセットを確認します。この例では、ASUSTEK の P5WDG2 WS Workstation 、チップセットは i975x である事が分かります。
この情報を元に Windows XP Professional x64 Edition の動作条件を満たしているか確認を行います。
このマザーボードを例にすれば、ASUSTEK P5WDG2 WS Professional のページでスペックを確認し、BIOS / 64bit ドライバの提供状況を確認します。オンボード・デバイスの x64 ドライバーが提供されているか確認します。x64 ドライバに関しては次のページで説明します。
Pentium 4でもステッピングがD-0のものはEM64Tに対応しておらず、E-0ステッピングのPentium 4 (LGA775 モデルNo.521/531/541/551/561/571)CPUは EM64T に対応しています。特にこれらのCPUとマザーボードの組み合せ、AGPバススロットを持つマザーボード、Intel 910 以前のチップセットは注意が必要かと思います。詳しくはマザーボードのサポートページで確認してください。
チップセットが条件を満たしていても、マザーボードのBIOS が対応している必要があります。BIOS をアップデートする事で 64bit CPU として使用できる場合もあります。
こちらは頼まれて組んだコスト重視の安価なマシン(予算2万円+パーツ流用)です。とにかくパーツはコスト最優先で選んだ自作機ですが、CPU に関しては WEB制作や2Dグラフィック、ビジネスアプリケーション、インターネット等で十分すぎる性能を持っています。
上記パソコンとは対照なパソコンで3DCG制作には適さない統合チップセット(SiS 761GX&964)です。俗に言う バリューPC です。
AMD CPU が搭載されたパソコンの場合です。CPU-Z を起動して CPU タブを確認します。(クリックで拡大します)
x86-64 という表記があれば、搭載されている CPU は x64 CPU であり、XP Professional x64 の動作条件に該当します。
ちなみに、CPU 名に Sempron 2800+ と表示されていますが、Sempron 2800+ には Socket A (旧) と Socket 754 / Socket AM2 (新) が存在し、Socket A と初期の Socket 754 は x86-64 に対応していません。このように単純に CPU 名からは判断できる訳ではありませんので注意して下さい。
続いてマザーボードのチップセットを確認します。自作パソコンやショップブランドの BTO パソコンの場合は、マザーボード名からメーカーの製品情報、サポート情報サイトへアクセスし、必要なx64デバイス・ドライバ、BIOS が提供されているか確認します。
ちなみにマザーボードはマイナーなECS製の761GX-M754、ver1.0 である事が分かります。
Web サイトへアクセスしスペックを確認すると デカデカ というか ヌケヌケ というか 64ビットサポート(より大きなメモリ容量と、ファイルを扱うことを可能としたプラットフォーム)と書かれています。
ところが、ドライバのページを確認してみるとオンボード・デバイスに Windows XP Professional x64 用のドライバは提供されていません。つまり、ハードウェアが条件を満たしているだけでドライバは提供されていないため、Windows XP Professional x64 は使えない事になります。 流石にこれは酷すぎますよね。
チップベンダー側で提供されるドライバが存在するかもしれませんが、始めから Win x64 を入れる予定はないのでそこまで調べていません。いずれにしてもこの製品の謳い文句は嘘であり、初心者が問題解決できるとも思えません。(Linuxカーネルにパッチを充ててハードウェアを認識させるような知識は要求されませんが、)
ドライバに関する問題は次のページで説明します。
安いマザーボードはコンデンサやチップ、回路設計はそれ相応です。普段からサーバー向けのマザーボードばかり使っていると、安価なボードは動作に支障がなくても操作していて品質の差は実感出来るものです。(特にメモリ周りで感じる)
DELL や HP、国内のパソコンメーカーが販売するパソコンの場合、OS の入れ替えはサポート対象外となります。 拡張パーツの組み込み、OS の入れ替えは前提にありませんので、メーカーのサポート次第という事になります。
メーカー製パソコンに拘るのであれば、購入時に Windows XP Professional x64 を選択できるワークステーションを、純粋な PC/AT 互換機に拘るのであれば、ショップブランドのワークステーションが適切な選択肢ではないかと思います。
自作以外の方の場合、OS を入れ替えるとメーカー、及びショップのサポートは受けられなくなります。自身のない方は、Windows XP Professional x64 Edition が選択可能なワークステーションを導入した方が確実です。
XP Professional x64 の最低限のハードウェア条件は、CPU と マザーボード(チップセット) です。少し触れましたが、この点をクリアにしてもデバイス・ドライバが提供されていなければハードウェアを認識させる事は出来ませんし、OSをインストールできない場合もあります。次のページでデバイス・ドライバに関する注意点を説明します。