Windows XP Professional は ビジネスユーザーを対象としたクライアント OS です。Windows 2000 の後継 OS にあたります。このページでは 3DCG 制作を想定した XP Professional 選ぶ上で知って置きたいポイントについて説明します。
Windows XP Professional は ビジネスユーザーを対象としたクライアント OS であり、Home Edition には含まれない多くの機能を有しています。
3DCG 制作に関係する XP Home Edition との違いは以下の通りです。
シングルコア時代の従来のワークステーションは、クライアントマシンで並列レンダリングを行うために CPU を2つ搭載可能なワークステーションが一般的で必然的に 2CPUをサポートするビジネス向けの Windows OS が必要でした。
現在、マルチコアCPUの普及によってCPU2個構成のワークステーションは必ずしも必要ではなくなったため、性能面では家庭用 Windows OSも 3DCG制作に使用する OS の候補に入ります。
現に AMD のCPU 2個構成のコンシューマー向け8コアはキャンセルとなっています。総コア数 8コア 環境は 3DCG制作においてもワークステーションとしては適さない構成です。
総コア数 8コア はレンダリング・サーバー向けの構成であり、ワークステーションとしては無駄が多く不適格です。CPU 2個構成の レンダリング・サーバーを組む場合は XP Professional (ビジネス向けWindows) が必要となります。
ビジネス向けに位置付けられる Windows は出荷された日から10年のライフサイクルとなります。具体的には サポート終了後、最低5年の延長フェーズ(セキュリティ・サポート)が受けられます。
業務目的に限らず個人ユーザーでも、道具としてパソコンを使用する方はこれらの理由から Windows XP Professional をお勧めします。と言いたい所ですが、家庭用 OS の Windows XP Home Edition も Professional と同じライフサイクルに変更となっているため、現在の XP Home Edition においてはこの理由は該当しません。(VISTAは該当)
Windows XP Home Edition でファイル共有を行った場合、同時に接続できるクライアントは 5人(台)までですが、XP Professional では 10人(台)まで接続可能です。XP Professioanl が一つあれば、XP Professional を中心に Home Editon 10台以内のファイル共有ネットワークを利用したグループ・ワークを実現できます。
ただし Windows Server のようなドメイン管理機能は一切持ち合わせていません。
その他 XP Home Editon と XP Professional の代表的な相違点は以下の通り。これらの機能が重要と思われる方は、XP Professional という事になります。
似たような機能を実現する家庭用向け Windows OS 用のソフトウェアはサードパーティーからも販売されています。
スケジュール管理が可能なバックアップ・ツールが付属します。同様のアプリケーションはDVDマルチドライブなどの付属ソフトとしても付いています。
EFS 暗号化機能が搭載されています。これは、特定のディレクトリ、ファイルを暗号化しパソコンから持ち出された場合、他人には読めなくする機能です。USBメモリなどを暗号化保護し、移動先の同様の機能を持つ ビジネス向け Windows OS 上で暗号化を意識する事無く通常のファイルとして扱えます。
万が一、USB メモリを紛失しても中の情報は暗号化されているため、情報漏洩を防げるといった使い方も出来ます。私はこの機能を愛用していますが、扱いを間違えるとデータ損失しかねません。一般の方には扱いが難しいと思います。
関心のある方は以下のサイトで使い方を紹介しています。
このような USBメモリなど紛失、情報漏洩の可能性が高い装置は、付属品として暗号化保護機能を有する製品もあります。OS にインクルードされた機能であるため、使いやすく、私は EFS 暗号化システムを愛用しています。
ディスク・パーテーション管理などが行えるツールが付属します。簡単に言えば、OS インストール後にパーテーションの変更が行えます。インストール時に計画をしっかり立てればないと困るという訳でもありません。
ビジネス向け Windows OS には、ダウンロード権利が存在します。これは、新しいOSを購入した際、そのライセンスで過去の Windows OS が使用できる権利です。例えば、Windows VISTA Business を購入した場合、そのライセンスで Windows XP Professional を使用する事が出来ます。
VISTA Business と XP Professional を同時に使える訳ではありません。どちらかを選ぶ権利があるという事です。
このダウンロード権は、一般家庭向け Windows OS には提供されていません。特に 3DCG 制作においては、こちらで説明しているように本格的な 3DCG制作において 2007年 12月 現在のWindows VISTAの現状では適しません。
VISTA Business で XP Professional へのダウンロード権を行使する場合、 XP Professional のインストールディスクが必要となります。このインストールCD はOEM(DSP)版とはライセンス形態が異るため利用出来ないので注意が必要です。
正規パッケージ版の Windows XP Professionalが必要となります。Windows XP Professional は出荷停止を控えていますので、インストールディスクをお持ちでない方は早めに入手されておく事をお勧めします。詳しくは以下のページで説明しています。
該当する製品の購入先(Amazon) は、ページ右の 32bit版 Windows XP で紹介しています。
HP (ヒューレット・パッカード) は、2007年12月からVISTAから XP Professional へダウングレード可能なワークステーションの提供を開始しています。
ページ冒頭で述べたように CPU ×2個構成のレンダリング・サーバーを自作する場合、XP Professional は必須となります。
(2007年 12月現在の状況では、3DCGレンダリング・サーバー用途を考えた場合、確実性を求めると 32bit OS という事に)
XP Professional には 64bit 版が存在しますが、これは VISTA の32bit版/64bit版との関係と異なり、Windows 2003 Server x64 のクライアント版という位置付けになります。XP Professional (32bit) とは別のサポート・フェーズとなります。
64bit 環境の現状は、ハードウェア、ソフトウェアとも十分とは言えません。Windows XP Professional x64 Edition については次のページから詳しく説明します。
Windows VISTA への移行を進めるため、2008年 6月 30日に Windows XP 全てのラインナップが出荷停止となります。VISTAが3DCG制作において適さない OS である以上、インストール・ディスクをお持ちでない方は、早めに入手しておく事をお勧めします。
Windows XP 購入の際の注意点は以下のページで説明しています。
参照 => XP 出荷停止になる前に ~ VISTAのダウングレード権