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3DCG ライティング ~ 環境光の表現とレンダリング考察

ライティング・レンダリング関連

はじめに

この章では 3DCG 初心者を対象に 3DCG におけるライティングの考え方、ならびにアドバイスを目的とします。ライティングは作品の完成度に最も大きな影響を及ぼす重要なプロセスです。その反面、習得しなければならない操作は他の制作プロセスに比べ少ないのも特徴です。

"ライティング" と "レンダリング" の関係について

ライティングレンダリング(計算)のプロセスは密接に関係しています。というよりもライティングによる光の軌跡を計算させるプロセス=レンダリング と考えます。これの意味することは使用するレンダリング(計算)方式によって 3DCG におけるライティングの手法も異なるという事に他なりません。

つまり、技術的な側面から考えるとライティング以前にレンダリング方式の種類やそれぞれの特徴を理解している必要がある訳です。また、ライティング プロセスのアナログ的な側面では本人のデッサン力が最も要求されるプロセスになります。

"レンダリング方式" と "光源" の種類について

3DCG に限らずゲームでも何らかの計算に基づいて面(サーフェイス)が視覚的に表現されています。代表的な レンダリング方式の概要はこちらで説明しています。また、代表的な光源種については、こちらで説明していますので、ここでは割愛します。

どのようなレンダリング方式が採用されていて、また、どのような光源種をサポートしているのかは 3DCG ソフトによって異なりますが、現在はスキャンライン方式、レイトレーシング方式、ラジオシティー系のレンダリング方式が一般的です。

光源種に関しては レンダラによって様々な拡張ライトが提供される製品もあります。(CINEMA 4D や 3ds Max は種類が多い)

このレンダリングとライティングの関係については、次のページから詳しく説明します。3DCG 初心者の方は、技術的な事を先に説明すると話が見えて来ないため、先に環境光について一定の認識が必要となります。

3DCG における環境光の表現

現実の世界では、太陽、または照明からの光が様々な物体に反射して周囲に影響を与えあっています。この空間に溢れる光を環境光といいます。リアリティを追求する上で最も重要な光となります。

水彩画や油絵などの風景画において、パース以外に空気遠近法という奥行きを表現するための考え方があるのはご存知でしょうか。これは、遠くに見えるもの程、淡い色に見える現象を表現する方法で水色がかった色彩を意識して描きます。

この現象を紐解くと大気中のチリやホコリに光が乱反射して靄がかかって見えるということであり、もっとも身近に感じる環境光の一つです。イメージしてください。500メートル先に森が見えます。その緑色と 10メートルまで接近したときの葉の緑色は同じでしょうか?全く違った色です。3DCGにおいても、これを意識しなくてはなりません。

フォグ(霧)

フォグとは英語で霧のことで、大抵の 3Dレンダラは対応しています。名前だけで判断すると霧を表現するための機能と思われがちですが、カメラを基準に奥行きに対して霧の濃度を調整することで前述した空気遠近法に近い表現が可能です。

シーン全体に対して適用するフォグはレンダリングコストが低く、ゲームでもリアルタイムで処理されるのをご存知の方も多いかと思います。

ボリューム レンダリング

ボリューム レンダリングとは、煙や部分的な霧といった形状を持たないイメージを計算により導き出します。ただし、計算には時間を要します。

VUE によるボリュームレンダリングのサンプル
左はフォグなし。右はボリューム系のフォグを適用した結果。二つの点光源が霧に干渉しているのが分かる。これらの表現はボリューム系のフォグ、叉はライトでなければ表現できない。

上記フォグもボリューム系のフォグがあり、ライトにも存在します。例えば、闇を照らすサーチライトなど強力な光源は帯となります。これも大気中のチリやホコリに光が干渉して起きる現象ですが、これを表現するためにわざわざボリューム系のフォグを設定する必要はありません。

大抵の3DCG ソフトが持つスポットライトには、擬似的に光の帯を表現するための設定があったり、ライト自体にボリューム系のフォグ効果を設定するのが一般的です。現実の世界に置き換えて考えるといっても 3DCG ソフトはそこまで現実の世界にバカ正直ではありません。

特にボリューム系のレンダリングは計算コストが高いため、それぞれの特徴を掴んで上手く活用する必要があります。例えば、ボリューム系の処理はなるべく抑えて代用できる通常フォグや後述するアンビエント色を上手く利用するなどの工夫です。

アンビエント ライトとは

Lightwave 3D の アンビエント設定

3DCG ソフトによって呼称は異なりますが、アンビニエンスライト、アンビエント と呼ばれる一つの光源種です。3DCG ソフトによっては、単に環境光の設定で色指定を行うだけのソフトや、通常のポイントライト(点光源)と同様に配置できるソフトもあり違いがあります。

前者はシーン全体に対して色がつくため絵作りを行う上で扱い難い側面ももっています。これらのアンビエント色の設定が有効なのは、光の届く海中の表現などシーン全体に対して適用できるケースです。

左の画像は Lightwave 3D のアンビエント設定画面とその結果です。光源色、3つの球体オブジェクト、床の色は何れも白色ですが、アンビエント色に水色を適用したため、全体の陰影が水色がかっています。古来からある環境光を模倣するための光源種であるため、サポートしないレンダラはありません。

光に照らされた物体の陰影に設定した色を乗算して表現するため、複雑な計算は必要としません。レンダリングコストが低いのが特徴です。この光源種はビューポート上でもリアルタイムに処理する事が出来ます。

グローバル イルミネーション(GI)効果 について

ラジオシティ レンダリング

グローバル・イルミネーションとは環境光の事です。光を受けた物体は拡散し周囲の物体に影響を与え合っています。スキャンライン方式レイトレーシング方式といった計算方式ではこの環境光を求めることは出来ません。

左の図はSTRATA 3D CXのラジオシティ計算で計算した結果です。光源は一灯しか設置していません。この計算ではンダリング(計算)により拡散する光をシミュレートする事で環境光を表現する事が可能になります。

球体に注目してみると白い床から拡散した光が球体に影響を与えているのが分かります。また、床も赤い色から拡散した光の影響を受けている事が分かります。影の色も一様ではなく、床との接点に近づくほど濃くなります。

次のページでは、レンダリング(計算)方式の意味とそれに応じたライティング アプローチの違いについて説明します。

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