NURBS や ベジエなどのカーブ属性を理解していないと構成されたサーフェイスを思うように制御できないのと同様に、ポリゴン・モデリングにおいてもポリゴンの特性を理解していないと思うようなモデリングやレンダリングエラー時の対応は出来ません。
このページでは、ここまで示したポリゴン・モデリングの要点について纏めています。
3DCG におけるポリゴンとはサーフェイス(面)を構成する最小の面(板)の事を指します。
左の図はサーフェイスを構成するひとつのポリゴンを選択した状態を示しています。複数のポリゴンから球体が構成されています。
以下の二つの正方形は、同じ4つの頂点から構成されています。左側は三角ポリゴン二つで正方形を構成しています。
この頂点を面と異なる方向へ移動した場合、三角形は平面であるためどのような形状になるか想像出来ますが、右側はどのような面が存在しているか説明が付きません。
これを非平面ポリゴンといい、4頂点以上で構成されたポリゴンで発生します。中でも5頂点以上はレンダリング時にエラーが起きる可能性が高く、3DCG ソフトが持つレンダリングエンジンによっても結果に違いが出ます。
レンダリングだけでなく、モデリング時においてはブーリアン演算などの処理においても非平面ポリゴンが多ければ、おかしな結果を招きます。
もっとも単純且つ明快な答えはサーフェイス(面)を構成するポリゴン(メッシュ)数を増やすことです。
左はサブパッチの分割率を変えてフリーズした結果と発生する非平面ポリゴンの割合を示しています。ブーリアン演算当、良好な結果を得るにはメッシュ数を増やす必要がありますが、全体に適用するとデータの増加を招きます。
STEP-2 ~ STEP4 で示した例は、必要に応じて部分的にメッシュを再構築している事になります。このような部分的な作りこみを前提とした機能を提供するポリゴンモデラーも存在します。
ポリゴン、サブディビジョン、NURBS 等、様々なモデリング機能を備える MAYA や XSI などのツールでは、目的に応じてモデラーを使い分ける必要がある事は以前、どこかで説明しましたが、Lightwave 3D などのサブディビジョン系のポリゴンモデラーにおいても同様の事がいえます。
何を使わなければならないという決まり事がある訳ではありませんが、これから3DCG制作に取り組まれる方にとっては判断が難しいと思いますので、この点について補足しておきます。
ポリゴンを補完するサブディビジョン系のポリゴンモデリングのメリットは、メッシュの分割数(密度)を自在にコントロールする事が出来る点にあります。主に自動車などシルエットを構成する三次曲面のモデリングや動物など有機形状モデリングに使用します。
三次曲面に対する正確な穴あけは難しいため、本稿で紹介したようにポリゴンメッシュに変換後、作り込むといったアプローチが一般的です。
建築物など三次曲面の少ないモチーフの場合、上記、サブパッチの出番は殆どありません。円柱などの二次曲面の場合は、スムージング角度、メッシュ数、最終レンダリング・サイズなど意識する必要があります。
特に3Dゲーム開発においては、使用できるポリゴン・頂点数に制限があるため、キャラクターなどの有機形状であっても、最初からこれらを意識したローポリゴン・モデリングを行うケースもあります。(ページ右 書籍参照)
ポリゴン単位で編集を行うポリゴンモデラーの習得は、頂点やエッジ編集、中でも法線方向に対する機能に目を向けられると良いかと思います。
また、ポリゴンの平面、非平面、スムージング、エッジの共有、非共有、メッシュの分割数などがレンダリングに与える影響など常に念頭において作業を進める事がクオリティー向上の早道ではないかと思います。