3DCG制作のためのパソコン購入を考える場合、どの OS (オペレーティングシステム)を使用するかで購入するパソコンも変わってきます。現在のパーソナルコンピュータは、Windows が動作する PC/AT 互換機 と アップルコンピュータの販売する Macintosh (マッキントッシュ)の何れかになります。
より具体的な説明はハードウェア導入ガイドを参照してください。
PC/AT互換機とは、3DCG 制作においては Intel プロセッサ、又は AMD プロセッサを搭載したパソコンのことをいいます。
このパソコンで動作する OS としてマイクロソフトの Windows や Linux / FreeBSD などの Unix 系OS が存在します。パーソナルコンピューターの分野で最もシェアが高いOS は Windows(ウインドウズ) である事をご存知ない方は少ない思います。
OS → | 98/ME | 2000/XP | XP 64bit | Linux i386 |
Linux x86_64 |
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3Dソフト | 16 bit OS | 32 bit OS | 64 bit OS | 32 bit OS | 32 bit OS |
Blender 2.37 | - | ● | - | ● | - |
Shade 8 | - | ● | ※1 | - | - |
CARRARA 4 | ● | ● | - | - | - |
アニマス ver11 | - | ● | - | - | - |
STRATA 3D CX | - | ● | - | - | - |
Vue | - | ● | - | - | - |
LightWave 3D ver8 | - | ● | ●※2 | - | - |
CINEMA4D R9.5 | - | ● | ● | - | - |
ZBrush | - | ● | - | - | - |
modo 103 | - | ● | ※3 | - | - |
Maya 7 | - | ● | ※4 | ● | - |
XSI ver5 | - | ● | ※4 | - | - |
3dsMax | - | ● | ※4 | - | - |
※1 2005年11月下旬Webサイトで Shade 8ユーザーに無償で配布予定
※2 64bitバージョン 8.5 出荷されました。(05/12/09)
※3 次期バージョンmodo 201 で搭載されるレンダラは対応予定
※4 mental ray レンダラが対応
表向きは 32bit OS ですが、16bit OS Windows 3.2 の後継にあたり、互換性を重視した設計であるためコアな部分(MS-DOS)が16bit の OSです。非常に不安定で、パソコンンの持つ処理能力を引き出す事ができないOSです。現在は、これらのOSで動作する3Dグラフィックソフトの開発は行われていません。メモリが512MB までしか拡張できず、マルチプロセッサ環境に未対応です。3DCG制作には適さないOSです。
Windows NT は業務用の OS として、メモリ管理の強化したマイクロソフト初の 32bit OSです。Unix系OSのように、それぞれのプロセスが独立して動作するためシステム全体が落ちることはありません。
プロセスが落ちてもその分だけの再起動で済みます。また、16bit のしがらみもなく、Pentium ~ Pentium 4 / Celeron / AMD K6~K7 Athlon などの32bit CPU の性能を引き出す事が可能なOSです。 Windows NTの登場で初めてパーソナルコンピュータにハイエンド3Dグラフィックソフトが移植されるようになりました。
2000 / XP はNT の後継、NTテクノロジーと呼ばれるOSであり業務用だけでなく一般ユーザーも対象としたOSです。3Dグラフィック制作に適したOSです。
HT テクノロジ対応 Intel プロセッサ や Pentium D / Pentium XE / Athlon 64 X2 デュアルコア CPU を搭載したパソコンには、 Windows XP が必要になります。(64bit CPU であれば後述する x64 Editon)
64bit CPU を搭載するパソコンをあれば、後述する Windows XP Professional x64 Editon を購入することで、3DCG 制作に適した環境になります。
また、Xeon や Opteron など 2つのCPU を利用する マルチプロセッサ 環境では XP Professional 、4つ以上の CPU 環境であれば Windows 2003 Server が必要になります。
デュアルコアであっても、使用するアプリケーション自体がマルチスレッド(並列処理)に対応していなければ恩恵はありません。
これまでの 32bit CPU から 64bit CPU が登場しており、2005年は、64bit CPU へ転換への節目の年となりました。既に、AMD では2004年から 64bit CPU を出荷しており、64bit CPUを 32bit OS を使用する時期がしばらく続きました。 Windows XP Professional x64 Editon は、待ちにまった待望の 64bit OS です。これまで 64bit CPU (Athlon 64)を利用していたユーザーは、 Windows XP Professional x64 Editon へ移行するだけで、64bit CPUの恩恵が受けられるようになります。一般向けに発売されている64bit CPU は、これまでの 32bit プログラムも高速に実行できるように設計されているので安心です。
3Dグラフィックソフトにおいては、64bit 対応バージョンをこのOSで使用する事で更に高いパフォーマンスが得られるようになります。現在、64bit CPU / OS に最適化されたバージョンを出荷しているのは、まだ一部のメーカーですが時間の問題です。最も3DCG制作に適した OS です。
特に、最初の64bit CPU Athlon 64 を搭載したパソコンをお持ちであれば、このOSにアップグレードするだけで64 bit CPUが持つ性能を引き出す事が出来ます。 購入のポイント |
オープンソースで開発が進められている Unix 系のOS です。Windows NT テクノロジーを持つOS よりも安定性に優れ、サーバー用途においては、CPUのパフォーマンスを高い次元で引き出せるとされています。また、早い時期から 64bit バージョンがリリースされており、Windows XP Professional x64 Editon が出荷されるまでは、PC/AT互換機の64bitCPUの性能を引き出せる唯一のOSでした。
難点は、セットアップが難しい点※と、Linux に対応したドライバを提供するビデオカードメーカーが少ない点です。(ビデオカードは認識するものの、3Dアクセラレーターの能力を引き出せない) 唯一、3Dアクセラレータ チップベンダーの中で、ATI 社は積極的に Linux のドライバを提供しています。
※RHL系LinuxではWindows と遜色ないレベルまで来ています。
高い安定性とパフォーマンスに優れる、開発用とに優れるOSであるため、Alias 社は、Maya の Linux バージョンも出荷しています。(過去に Shade も出荷されていたが現在は開発中止)
■ Maya 7 が動作する Linux OSの確認はこちら
OSのアップデート環境の整った商用 Linux ディストリビューションです。初心者には扱い易いので、Linux で Maya を考えている人に一押しの Linux です。
おすすめ度の平均:
一番僕にピッタリ |
サポートの必要のない方で、Linux に関する知識のある方は、FedoraCore 3 であればフリーです。Maya 7 が動作します。OS の入手先は以下を参照すると分かり易いです。
ちなみに FedoraCore 4 では glibc のバージョンが異なるため、Maya は動作しない可能性が高いです。