インターネットのブロードバンドと普及に伴って一般家庭にも広く普及したパーソナルコンピュータですが、そのパソコンの多くにインストールされていたのが、Windows XPです。
それまで安定したNTテクノロジーOSは業務用のWindows にしか提供されていませんでしたが、XP は初めて家庭用向けにも提供された NTテクノロジーのWindows OS になります。
2002年に登場してから12年目となる今年 2014年 4月8日にセキュリティサポートが終了しました。
本稿では、過去にWindows XP が搭載されたパソコンを購入した方を対象に、報道であるように新たにパソコンを買い換える必要があるのか、それとも、OSを入れ替えるだけで済む問題なのか、そこに焦点を絞って解説します。
コンテンツを作成するにあたり、最初は3DCG制作環境、ワークステーション用途の視点で書こうと思ったのですが、その点で注意すべき点はごく僅かであり、一応、その視点についても触れていますが、3DCG制作者だけでなく、一般のPCユーザーにも参考になる内容にしました。
Windows XP 搭載パソコンといっても、販売された期間は非常に長く、2002~2011年の半ばごろ、ネットブックが販売されていたあたりまでに販売されていたパソコンに搭載されており、本稿で対象となるパソコンといっても、ハードウェアの性能や仕様に大きな幅があります。
XP の後継である Windows VISTA が買い替えを前提とした高いハードウェア性能を要求する仕様ても仕事で使えるようなOSでなかったため、XPの販売が延長された事に起因します。
OSを入れ替えて、今のパソコンを使い続けるためには、ハードウェアが、新たに入れかえるOSの性能要件を満たしているか、だけでなく、そのパソコンの用途や、周辺機器の対応状況など、最善の選択肢はそれぞれに異なります。
本稿では、サポートの切れた、今現在、何不自由なく使えている従来のXP搭載パソコンのOSを入れ替える事で、これまで通り使ってきたアプリケーションを継続して使用することに主眼を置いて解説していますが、
当該パソコンのハードウェアと新OSが要求するハードウェアの要件を満たしていない場合は、買い換えを余儀なくされるケースも出てきます。
購入してまだ数年、何不自由なくXP上で動作するソフトウェアが使えているのにサポートが切れたから使ってはいけない、といわれて困惑される方も多いのではないかと思われます。
OSを使うことが目的ではなく、その上で動作するソフトウェアを使うためにパソコンを使っているわけですから、そのように思われるのは無理もありません。
これらの理由から、本稿ではこれまで通り不安無くインターネットも使える「現状を維持したOSの入れ替え」を最大のテーマにしています。
OSを入れ替えるのか、新しくパソコンを買い換えた方が良いのか、判断に困っている方に対して、判断の一助となる情報提供を目的としています。後学のため、なるべく丁寧に説明することを心がけたので、全体的に長文になっています。
特に日本においては消費税が上がるタイミングと同時期であり、パソコン買い控えを回避する意図はあるでしょうが、ありもしない危険を煽ってパソコンの買い換えを要求しているわけではありません。
ネットワークに接続されたXPを使い続ける行為は危険であることに偽りはありません。「これはメーカーやショップ、業界のおどしキャンペーンだ」などの思い込みからか、セキュリティソフトを更新していればその様な問題は防げるのだという人をネットで見かけますが、これは明らかに誤りです。
先日、報道にあったIEの深刻なセキュリティ問題も、当初、マイクロソフトは対策パッチを提供しない方針を示していましたが、あまりにも、そのセキュリティリスクが深刻であったため、5月5日の段階で、今回に限りXP向けのパッチをリリースすると方針転換しています。