前述してきたとおり、グラフィックスデバイスは OS の動作に密接に関係するため、お使いのデスクトップPC のグラフィックスデバイスで、Windows 7 や Windows 8 のドライバが提供されない場合、XP で何不自由なく使えている Windows 環境を移行する事はできません。
特に Windows 8 の場合は、グラフィックスデバイスが鬼門となる事は先に述べたとおりです。ここで紹介しているビデオカードは、まだまだ使えるPCの延命を目的にしたビデオカードになります。
このように 特に Windows 8 においては、XDDM をサポートしないため、Windows 7 よりもグラフィックスデバイスで躓いた場合、対策が非常に困難になります。唯一の方法が、グラフィックスデバイスの換装、つまりビデオカードの増設です。
これらのビデオカードが入手可能か、ドライバの提供状況は、 XP 搭載パソコンの Windows延命 でWindows 7 、Windows 8 のどちらを選択するか、重要な判断材料の一つになります。
.2014年6月現在、DirectX11のアクセラレーションをサポートするWindows 8 に対応しているPCIビデオカードについて調べてみると、以下の製品が販売されています。
玄人志向が販売するビデオカードです。
Windows 7 / 8 用のドライバが提供されています。Amazon のユーザー評価は、かなり高いようです。
nVIDIA の GeForceGT610 は Windows 7 64-bit, Windows 8.1 64-bit, Windows 8 64-bit, Windows Vista 64-bit に対応しています。以下の製品も同じ GeForceGT610 ビデオカードですが、消費電力はこちらのほうが低く、電源に与える負担も少なくて済むはずです。(統合型チップセットの安価なPCに大容量の電源が搭載されているとは思えないため)
補足:これらのビデオカードはかなり特殊です。主にこのページで紹介してる 古いWindows XP デスクトップPCの延命を目的としたレアな製品、と考えて指しさえありません。言ってみれば、自転車にオートバイのエンジンを積むようなアンバランスさなので、性能に期待する事は出来ませんが、暴走して車体が壊れるような事はありません。ただし、パソコンの電源容量がカツカツだった場合、電源不足でパソコンが不安定になる可能性も考えられるので、この手の製品に無駄な高性能を求めるのは、避けた方が得策です。
PCI 32bitバス規格はAGPよりもはるかにバス帯域が狭いため、元来刺さっていたAGPビデオカードの3D性能を下回る可能性がありますが、Windows 8ではVISTAやWindows 7 のAeroのように、高い3D性能を要求しませんので、DirectX11対応であることもあって快適に動作する筈です。
アドバイス:ここで示したPCIビデオカードの拡張は、主に AGPスロットを持つ古いXP搭載デスクトップPCで考えられる対策ですが、AGPビデオカードを外してPCIバスにビデオカードを接続する場合は、経験上、AGPのすぐ隣のスロットを避けて指した方が良いかも知れません。場合によってはBIOS側で設定変更が必要になるかも知れません。また、拡張ボードは固有のマザーボードと相性問題が存在し、経験上、AGPに関してはマザーボードの組みあわせにおいて発生する確率は、他のデバイスに比べて大きい印象があります。ビデオカードを購入する前に、事前にご自身のパソコン、或はマザーボードで使用している人がいないかの情報ぐらいは確認した方が良いと思います。相性問題は、自己責任となります。故障でない限りメーカー保証は受けられないので注意が必要です。
.PCI-Express の拡張スロットを持つマザーボードの場合です。PCI-Express についてはこちらで説明しています。
かなり古い記事ですが、この時は PCI-Express 2.0 は市場に出るか、出ないか、のタイミングだったので、おそらく、XP から OSの入れ替えを検討している多くは、PCI-Express 2.0 は少ないと思われます。
ただ、下位互換があるため、x16 のレーンの形状が合えば使えるはずです。
ただし、その際に、そのスロットにPCI-E のビデオカードを拡張できるか、そのマザーボードの製造元のHPなどで、必ず確認してから、ビデオカードを購入するようにして下さい。PCI-E スロットはあるが、ビデオカードは動作しない、といったマザーボード固有の制約があるかもしれないからです。
以下は Amazon で購入可能な PCI-E のビデオカードですが、多くは PCI-E 2.0 となっています。初期の PCI-E 1.0 と同じ16レーン幅を比較した場合、その半分しか大域がないので、ビデオカードの持つ最大能力を引き出せるわけではありませんが、そのPCが引き出せる最大限のグラフィックス性能が得られます。
これらのビデオカードを拡張する際にも、Windows 7、Windows 8 のドライバの提供状況を確認してから購入するようにして下さい。
主にこれらの対策が必要となるのは、3DCG制作には適さない、統合チップセット型のデスクトップPC と考えられる上、時期的にも PCI-Express 2.0 ではないケースも多いと考えられます。(ご自身でマザーボードを確認して下さい)
そもそも XP 搭載機の延命ですから、高性能で多くの電力を消費する無駄なビデオカードを選ぶよりも、このケースでも安価で消費電力の低い、ロープロファイルのものが、目的から言って理にかなっていると思います。
また、このサイトの趣旨から言えば、今後、そのパソコンで 3DCGの制作を考えているなら、Quadro や FireGL といった OpneGL に主眼をおいたビデオカードを選択するのもありですが、
オンボードメモリの拡張なども必要になるかもしれないので、従来の使い方を考えて、安価な DirectX に主眼をおいた GeForce や RADEON 系のビデオカードを選ぶほうが理にかなっていると思います。