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3DCG Workstation


3DCG-WSに関する説明

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モデリング作業に入る前に確認しておきたい事

モデリング関連

制作に際して

手は体のパーツの中でも露出する可能性が高いパーツであり、また手の造形にはかなりのポリゴン数を消費します。ポリゴン数が限られるゲームの場合、指なし手袋のように複数の指を一塊にしてテクスチャで指を描きポリゴン数を抑えることもあります。

特に経験の浅い方が制作に取り組む前に注意すべき点、本稿で紹介しているワークフローの概要について説明します。

どこまで作りこむ必要があるのか、ということ

ポージングを前提する静止画や映像作品の場合では、作中における手の重要度を考慮する必要もあり、無駄に作りこむ事はなるべく避けるようにします。(特に "手" はポリゴン数の消費量が半端ではないので)

手がクローズアップする場合など、手の造形が重要になる場合は ZBrush などスカルプトモデラーで得られる Displacement Map を活用する事も視野に入れるようにします。

SubDivサーフェイスの互換性に関して

手は汎用性の高いパーツ、と説明しましたが、この点について気になった点がありますのでここで補足しておきます。

SubDivサーフェイスは、ポリゴンオブジェクトを骨子として頂点間を補完、つまりメッシュを細分化する事で少ないデータ量で高密度なポリゴンメッシュを得る技術ですが、メッシュの細分化アルゴリズムに規格がある訳ではなく、3Dソフトによって違いがあります。

データ自体が少なくても細分化後の計算処理にはCPU、メモリなどの資源は消費する。市販ソフトではLighWave が最も古く、近年ではポリゴンモデラーと言えば殆どソフトが SubDiv サーフェイスに対応している。

ポリゴンオブジェクトを骨子をするため、基本的にデータの受け渡しは可能ですが細分化アルゴリズムには違いがあるため、SubDivサーフェイスの形状が完全に一致するという訳ではありません。

LigtWave 9.x の場合、四角ポリゴンまでしか対応しない従来の サブパッチ (旧メタナーブスの発展系)と、n-gon (五角形以上のポリゴン) に対応する カトマル (Catmull-Clark) の2種類の細分化(Subdivision)アルゴリズムが用意されており、双方のメッシュ分割、形状には違いがあります。

データの受け渡しにおいて骨子となるローポリゴンの構造によって正しくレンダリングが行えないレンダラも存在するため、SubDivの骨子ポリゴンは "三角" "四角"ポリゴンのみを使用するようにした方が無難で、互換性以外にもメリットがあります。

大きく形状が異なる事はないため、厳密な曲線、曲面が求められない生物系モチーフの場合、大きな障害になる事はありませんが、工業製品など厳密な厳密な曲線、曲面が求められるケースでは、細分化アルゴリズムの違いが問題になる場合があります。

この場合、サブディバイド(細分化)されたデータでやり取りする必要も出てくる

ソフトウェア独自のコントロール機能

LightWaveやModo、Blender、XSI など高度な SubDivision 対応ポリゴンモデラーを有する3DCGソフトウェアは曲面の強さをコントロールする機能を有しています。

サブパッチウェイト

上は LightWave のSubDiv種サブパッチ・サーフェイスに対してサブパッチウェイトを適用した例ですが、このような曲面の度合いをコントロールする機能は、他のツールとデータのやり取りを行う上で障害となりますので本稿では使わない方針で説明しています。

ちなみにカトマルのエッジウェイトはメッシュ分割はおろかミラーコピーにも対応しておらず、未完成のまま実装された感があり使い物になりません。サブパッチウェイトはエッジ単位のウェイトには対応しておらず、放射状にウェイトが掛かります。

勿論、作成した3DCGツールで全てが完結するのであれば、これら SubDivision サーフェイスをコントロールする機能は積極的に活用すべきです。使いどころを心得ると、少ない頂点数のまま形状に変化をつける事が出来るからです。

近年ではコンピュータの処理速度向上もあって、スカルプトモデラーを使った Displacement Map (変位マップ)による調整が一般的になりつつあります。

一例に過ぎないという事

特定のモチーフに対してこれといった作成法が存在する訳ではありません。つまり、形あるものに対し ”決まった作り方” という考えは存在しません。

どうすれば効率よく造形できるか、常に考えるようにして下さい。全ての事象を対象とする3DCGにおいては、型に当てはめて考えようとすると応用力が身に付きませんし、アイデアも浮かびません。

広い視野で柔らか頭で考えるようにしてください。ここで紹介する具体的な方法も一例に過ぎません。世の中にはもっと要領よく作る方も沢山います。

生物系モデリングのワークフロー

本稿では LightWave 3D (ver.9.6) を使用していますが、基本的な考え方はどのツールにおいても違いがある訳ではありません。ただし、LightWave の場合はモデリングとウェイト編集は Modeler で行い、実際の変形はLayout 側の Bone で行う必要があるという一般的な統合型3DCGソフトにはない欠点があります。

これらの欠点を補うための機能は、個人的には ver 8.6 以降からようやく使えるレベルになったと思っていますが作業手順が煩雑です。後継とされる LightWave Core ではNodeベースのCoreシステム上で動作するため、(事実上の統合) これらの問題はなくなる筈です。

本稿で説明するワークフロー

SubDivサーフェイスの特長を最大限に生かすため、最低限の頂点数で造形を考えています。皺や細かい起伏はスカルプト3Dモデラーで得られるDisplacement Map や Normal Map の使用を想定、Boneシステムを使用したアニメーション展開を想定しています。

  • ベース形状モデリング
    • 下絵を元に基本形状を作成する作業です。
  • メッシュの流れを意識したモデリング
    • Modeler 上で Bone の役割をするスケルゴンを仕込んで、スケルゴン回転で実際の変形を確認しながらメッシュを修正する作業を行います。この段階では造形には拘らず、ウェイトマップによるスキニング結果を確認しながら、メッシュの流れに注意してベース形状を作成します。
  • 本格的な造形 (モデリング)
    • Vertex Paint で得たウェイトマップをベースにウェイトマップの修正作業、平行して頂点位置を編集し、形状を整える本格的なモデリング作業を行ないます。
  • レイアウトBone設定 (LWならではの余計なプロセス)
    • レイアウトのBoneで実際のスキニング結果を確認し、Bone スキニング方法を確認、検証します。ライティング、レンダリング結果から最終的な造形の善し悪しを判断する作業も行ない、結果をモデリング作業にフィードバックします。
  • UVマップ作成
    • UVテクスチャ用、UVマップを作成します。この作業は、これ以上、頂点追加を伴う修正が入らないと確信した段階で作成します。そうでなければ修正の手間が増え、生産性に影響が出るからです。

つまり、本稿で紹介する3DCG制作のワークフローは、モデリングに限定した内容となっています。映像作品になるまでにはモデリング以外にもライティング、テクスチャ制作、質感設定、リグ構築、モーション制作など様々な作業プロセスを経ます。

個人の映像制作は非常に時間と根気が必要な作業になります。次のページからは、具体的な作成方法と制作に必要な知識を分かり易く説明していきます。


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モデリング / TIPS / 考察

  1. モデリング ~ 目次 (一覧)
    1. NURBS モデリング 関連
    2. ポリゴン モデリング 関連

手のモデリング (SubDiv)

  1. このドキュメントの概要
  2. 制作をはじめる前に
  3. 造形 ~ ベース形状の作成
    1. スケルゴンに関する注意点
  4. 造形 ~ "指" を作る
    1. LightWave の Bone 設定
    2. モーションと細分化タイミング
  5. 造形 ~ 掌部のモデリング
  6. 造形 ~ 甲部 / 指の接続
  7. 造形 ~ 全体のモデリング
  8. ウェイトマップについて
    1. ウェイトの正規化(Normalize)
  9. 前準備 ~ シーン作成
    1. 前準備 ~ スケルゴン修正
  10. ウェイト修正アプローチ 1
    1. ウェイト修正アプローチ 2
    2. ウェイト修正アプローチ 3
  11. 造形 ~ 形状の作り込み
    1. ウェイト修正後の頂点追加
  12. UVマップに関して
    1. UVマップを作成する
  13. まとめ ~ 要点の整理
    1. 本稿で使用したツール他

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