SubDivサーフェイスによる生物系モデリングのワークフローの一例を紹介してきましたが、冒頭でも述べたように3DCGにおいては決められたアプローチがある訳ではないので要領の良い作り方を常に考える姿勢は大切です。
応用力が養われますので仕組みを理解しようとする事も大切な事だと思います。本稿ではスケルゴン、モデラー主体のワークフローを紹介していますが、このワークフローの要点をまとめました。
必ず下絵となるスケッチを用意する。形状の分かりにくい箇所はデッサンするなどして把握しておく。画像に対してワイヤーメッシュを描いてみるのも良い。
慣れないうちは Vertex Paint の Falloff Distance で得られたウェイトマップとスケルゴン回転でメッシュの流れを確認しながら、方向性を確認しながら作業を行なうと良い。
Vertex Paint の Falloff Distance で得られたウェイトマップをベースに作り込むため、この段階で良好な結果が得られるようにすると修正の手間が少なく済む。
モデラーのスケルゴン回転は、ウェイトマップのみのスキニング結果しか確認出来ないため、最終的にはレイアウトの Bone で確認する必要がある。
VP で得られたウェイトマップの修正は、必要な頂点数が確保出来た段階で造形の詰めと平行して行なう。
Bone ウェイトに使用するウェイトマップの場合、頂点に割り当てられるウェイト値の合計は 100%になるようにする。割り当てられるウェイトマップが一つの場合は100%であり、複数割り当てられる場合は、合計値が100%になるように Normalize を実行すると数値入力による修正も行い易い。
メッシュを分割する操作を行なう場合、使用するツールや選択モードによって補完されるウェイト値に違いがあるため、修正作業に影響が出る場合がある。
面倒に思えてもスケルゴン名は分かり易く、規則性も考慮して名前をつける。(本稿ではVPでウェイトマップを作成するので) 分かり難いとウェイト修正の効率が低下する。
スケルゴン回転で使用するスケルゴンと、ウェイトマップ生成に使用するスケルゴンの位置は必ずしも同じである必要はない。つまり、ウェイトマップ得る役割とBone(関節・回転軸)としての二つの顔があると考える。
Vertex Paint の Falloff Distance で望んだ結果が得られない場合、新たにスケルゴンを追加するなどして、得られたウェイトマップを結合する事も考える。スケルゴンをウェイトを得るためのペイントツールという視点でも活用する。
造形が完成した段階、テクスチャ制作の前に行なう。
UV展開は部分毎に展開種を変えて複数回に分けて実行する事も考える。また、テクスチャ(画像)の作成方法によってUVマップの展開方法を考える必要がある。
視点からの投影やスケルゴン回転の結果からUVマップを展開したい場合は、モーフマップを活用する。